プラットフォームを共有した兄弟車には、身内のモデルからメーカーの垣根を超えたものまでさまざま。当然、バッジだけ変えた車種から見た目が全然違うものまでいろいろ。しかし、販売の好不調によってその後の運命は大きく変わる。そんな格差が生まれた兄弟車とは?
文/木内一行、写真/トヨタ、日産、ホンダ、CarsWp.com
【画像ギャラリー】格差が悲しすぎる兄弟車の軌跡を見る(17枚)画像ギャラリー「マイチェンがきっかけで一気に形勢逆転」トヨタ・アルファード/ヴェルファイア

L サイズミニバンとしてキングの座を揺るぎないものにしているアルファード/ヴェルファイア。
初代はトヨペット店扱いのアルファードG、ビスタ店(現ネッツ店)扱いのアルファードVがラインナップされていたが、2代目へモデルチェンジする際にVが消滅。かわりにヴェルファイアが登場した。
この世代では、アルファードとヴェルファイアを前後のデザインで差別化。すると、ヴェルファイアの力強いマスクが人気を得たこともあり、販売台数で本家アルファードを圧倒したのだ。
続く3代目でもヴェルファイア優位は変わらなかったが、転機となったのが2017年のマイナーチェンジ。アルファードのマスクがより押し出しの強いデザインに刷新され、一気に形勢逆転したのである。
その差がさらに広がったのが2020年で、トヨタがすべての販売店で全車を扱うようになったことがきっかけ。
これにより、アルファードはどこででも買えるようになって販売が伸び、その反動でヴェルファイアは売れ行きが急落。
2022年の乗用車ブランド別ランキングではアルファードが6万225台で10位にランクインしているのに対し、ヴェルファイアは51位以下のランク外。50位のエクリプスクロスが7693台だから、それ以下なことは間違いない。
2023年登場の4代目でその差は縮まったものの、やはりアルファード優位は変わらず。2024年の年間販売台数を見ると、アルファードはヴェルファイアの倍以上売れていた。
ただし、4代目は両者のキャラが明確になり、デザインだけでなくエンジンや足回りも異なるため、それが影響している可能性もある。
とはいえ、兄弟車でここまでの格差が生まれたのは非常に珍しいパターンだ。
「いつの世代も圧倒的だった長男の人気」トヨタ・マークII/チェイサー/クレスタ
兄弟車といって、まずマークII 3兄弟を思い浮かべる人は少なくないだろう。それほど知名度が高い兄弟なのだが、そのなかでも人気だったのはやはり長男(?)のマークIIだった。
マークII、チェイサー、クレスタという順でデビューした兄弟だが、揃ってフルモデルチェンジするようになったのは1984年から。いわゆる、71系と呼ばれるモデルだ。
スーパーホワイトのボディカラーやラウンジのソファを思わせるシートで爆発的なヒットを生み出したこの世代では、マークIIの人気が圧倒的で、それにクレスタ、チェイサーと続く。
デビューした1984年の販売台数は、マークII約6.2万台、クレスタ約2.8万台、チェイサー約1.8万台と、マークIIはクレスタの倍以上売れていたのだ。
81系もこの序列は大きく変わらなかったが、続く90系ではマークIIの頭がひとつ抜けていたものの以前ほどの差はなくなった。
そして100系でチェイサーが一気にブレイク。90系で登場したツアラーシリーズの人気が高かったこともあり、スポーティなルックスのチェイサーに人気が集まったのだ。
とはいえ、勢力図を塗り替えるほどの爆発的な売り上げはなく、販売台数トップは相変わらずマークII。どの世代でも、長男の人気は不動だったのである。

















コメント
コメントの使い方アルファードとヴェルファイアの件
30はそうだが40ではそもそも計画でヴェルファイアの販売数を絞ってるのと残クレ大好きノーマルガソリン車がアルファードしか無い(安い)からですね〜