多くのファンに愛される「王道的」クルマと「我が道を行く」我道的クルマでプロレスに見立てて比較してきたが、このカードは休憩直前、もしくはラス前セミファイナルに持ってきたい好カード。トヨタ ハリアー vs マツダ CX-60の一戦だ!!
※本稿は2025年5月のものです
文:伊達軍曹/写真:トヨタ、マツダ
初出:『ベストカー』2025年6月10日号
下半身の微調整により動きがよくなったCX-60
重厚感のあるガウンをまとって入場したマツダ CX-60選手とは対照的に、きらびやかなゴールドをあしらったガウン姿にて、最高の笑顔と真っ白な歯を輝かせながら入場したトヨタ ハリアー選手に、会場のファンから歓声が上がる。
試合は開始直後からCX-60が積極的に攻める展開に。得意の「ラージ商品GUN」をボディにお見舞いし、続けざまにトップロープからの「SKYACTIV-D」でハリアーを痛めつける。
だが角度のあるSKYACTIVをかわしたハリアーが、必殺のローキック「GA-K」をCX-60の左足に叩き込む。するとピロボールジョイントに影響が出たか、たまらずCX-60は場外へエスケープ。
セコンドにバネとダンパーを調整してもらい、リアスタビライザーを脱ぎ捨てながら再びリングインするCX-60。
序盤の動きと比べると身体の上下動が減っており、安定した構えから正確な「ラージ商品GUN」をハリアーの顔面にヒットさせる。そしてさらには必殺の「マルチシリンダー」でハリアーの4気筒エンジンの関節を取り、ギブアップを狙うCX-60。
だがグラウンドでの攻防戦の最中、ハリアーの整った口が開き、何事かをささやいた。「……ねぇ、キミが頑張ってる点って、SUVにとって本当に大事なポイントなのかな?」
この悪魔のささやきにCX-60、迷いが生じたか、極めていたはずの関節技が緩んだ。そんな好機を、スイートデビルなハリアーは見逃さない。素早く体を返したハリアーが「THS II」からのフェイスロックを決め、勝利した。
●7分25秒、フェイスロックでハリアーの勝利
ハリアー vs「CX-5」だったらどうなっていたか?
元気いっぱいの新鋭であるCX-60選手に対し、CX-5選手は2016年12月デビューの、失礼ながらロートルと呼んでも差し支えない選手。
だが常に丹念を怠らないばかりか、2021年11月には大掛かりな肉体改造を実施。さらにその後も小規模な肉体改造を繰り返しているCX-5選手の下半身は、強靭にしてしなやか。
そして選手として重要な部分であるルックスに関しても、若干の衰えこそ感じさせるものの、ハリアー選手に勝るとも劣らぬイケメン。
いかんせん一般ウケの部分でハリアー選手に届かない側面はあるが、試合内容的には必ずや好勝負となるはずであり、ベテランの経験値でもってCX-5が勝利する可能性も大いに高いと考えられる。


















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