商用車の枠を超え、幅広いシーンで使われている万能バンであるトヨタ「ハイエース」。昨今はスキーやバイク、自転車といったアウトドアギアの運搬や、車中泊を楽しむキャンピングカー用途など、活躍の幅をさらに広げています。現行モデルは2004年に登場した200系。20年以上にわたるロングセラーモデルながら、年次改良を重ねることで商品力を維持し続けてきました。
そんなハイエースの次世代モデルを示唆する「ハイエースコンセプト」がジャパンモビリティショー2025に出展されました。現行モデルの登場から20年、いよいよフルモデルチェンジへ向けて動き出すようです。
文:吉川賢一/写真:エムスリープロダクション、TOYOTA
【画像ギャラリー】「運ぶモビリティ」を大切に育てていく!! トヨタがジャパンモビリティショーに出展した商用車たち(23枚)画像ギャラリーKAYOIBAKOと共通性あるデザイン パワートレインは「マルチ化」
ジャパンモビリティショー2025にトヨタが出展した「ハイエースコンセプト」。商用車のコンセプトカーといえば、前回のジャパンモビリティショー2023において、トヨタは多様な社会課題や個人ニーズに応える「超拡張型」のモビリティとして「KAYOIBAKO(カヨイバコ)」を出展しましたが、今回のショーではそのKAYOIBAKOを起点とした「KAYOIBAKOシリーズ」として、次期タウンエースを示唆する中型のKAYOIBAKO、大型のハイエースコンセプトとその派生モデルのほか、ダイハツも軽サイズのカヨイバコ-Kを出展。トヨタが描く次世代の「運ぶモビリティ」の全体像が見えてきました。
なかでも、もっとも現実味を帯びていたのがハイエースコンセプトでした。直線基調のシンプルな箱型ボディは、KAYOIBAKOのデザインテイストと共通性がありつつ、既存のハイエースユーザーにも違和感なく受け入れられそうな仕上がりです。大きなフロントウィンドウとサイドウィンドウに対して、リアウィンドウが小さい点はやや気になるものの、全体としては現代的でミニマルな印象へと進化しています。
インテリアは、最新モデルらしいスッキリしたレイアウトで、前方視界は非常に良好。運転席まわりは商用車らしく実用性を重視した設計となっており、書類置き場やスマホホルダーなど、日常業務で役立つ収納スペースも豊富に用意されています。
ジャパンモビリティショー2025では、従来モデルと同様に、標準ルーフとハイルーフの2タイプが展示されていたほか、医療用のモジュールを搭載した派生モデルも展示されるなど、ハイエースがもつ「変幻自在なボディアレンジ」という思想が、しっかりと受け継がれていることがうかがえました。
最大の注目点は、パワートレインの「マルチ化」を明確に打ち出した点です。前回発表されたKAYOIBAKOはBEVでしたが、今回のハイエースコンセプトではガソリン、ハイブリッド、BEVといった複数のパワートレインを想定。物流用途から個人ユースまで、ユーザーが自身の使い方に応じて最適な選択ができる構成となっており、まさに「次世代のハイエース」を強く意識したコンセプトとなっていました。



























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