新型日産リーフがついに発表となった。EVのパイオニアとして自信たっぷりの3代目となるが、いかんせんデザインに好みが分かれそうな雰囲気。担当も個人的には好きだが、少しずんぐりむっくりに見えてしまい、シュッとしたデザインがほしい層には刺さらないかも。そうなると東風日産でデビューした 「N7」も気になるのだけど……。
文:ベストカーWeb編集部/写真:日産
【画像ギャラリー】東風N7が入ればキレイに日産EVヒエラルキーが完成するのでは?! アリア、リーフ、N7、サクラなんとか揃わんか……!?(24枚)画像ギャラリー高性能、高価格がBEVでは支持されにくいのでは
新型リーフは52.9kWh/75.1kWhの2種類のバッテリーを擁してデビューする。航続距離も最大600km以上という数値を出してきた。依然として52.9kWhの航続距離はまだ出てこないのが気になるが、多くのユーザーにとって航続距離はかなり大切な数値になる。
しかし航続距離は従来からEVを使っているユーザーというよりは、新規にEVを購入するユーザーにとって大切な指標と言えるだろう。それを考えれば600kmの航続距離はとても心強いはず。
ただリーフはグローバルモデルであり、プロパイロット2などのハイテク装備も日本モデルにはついてくる。そうなると気になるのが価格。いかんせん従来型の高性能モデルが約525万円から、ベースモデルは約408万円となる。
2022年に60kWhモデルで最大約100万円の値上げを行ったこともあるリーフだが、グローバルでの量産効果を考えてもかなり厳しい販売戦略だった。発売から5年以上経過して100万円も値上げした過去があるのだから、新型リーフのトップモデルが500万円台半ばという観測はやや楽観的すぎるように思う。
こうなるとマーケットでは「そこそこ」の性能でいいから安いEVがほしい、という声ではないか?
日産エンジニアリングを注ぎ込んだ東風日産「N7」
そこで登場となるのが中国で販売している東風日産の「N7」だ。日産とは名ばかりで中国で製造したモデルでしょ、と思いきや実は日産のエンジニアリングが注ぎ込まれている。
ベストカーWebでは過去に東風日産の関口社長とのインタビューをしており、その際も「日産を知る人たちが開発をしている」とのコメントをもらった。その発言にはかなりの自信が見られた。
実際に中国では販売1カ月で1.7万台を販売したという大人気で、すでにアジア圏への輸出も発表されている。となれば、日本市場に入れてくれればいいのにと思ってしまうのだ。
日本市場ではあまり人気のないセダンだが、58kWh/73kWhのバッテリーを搭載して航続距離は最大630kmと実力も充分。様々な事情が絡み合っているとはいえ、N7の売価は圧倒的に安く約240万円から約300万円ほどの価格レンジになっている。
日本投入時にたとえ1.5倍の価格としても、BYDのATTO3に肉薄するお得な車両になるはずで、日産エンブレムがあれば日本市場のアジア車への拒否反応も薄いだろう。そしてサクラ、N7、リーフ、アリアというヒエラルキーが国内ラインナップで完成することになれば強力な布陣とも言える。
「そこそこの性能」と前述したが、すでにN7はグローバルスタンダードなモデルであり、日本市場に投入して引けをとるモデルではない。中国メーカーの格安EV襲来に対抗できるのは日産しかいない。
この辺りの戦略はエスピノーサ新社長をどう見ているのだろうか。日産には素晴らしい開発陣がいて、素晴らしいプロダクトはある。それをどのような価格で、どのような地域に投下するか。手腕の見せ所だ。


























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