運転に衰えを感じたら…こっそり知っておきたい「なんでもオート」の落とし穴

電動パーキングブレーキは誤操作や不意な動きを招くことも

衰えを感じたら…こっそり知っておきたい「なんでもオート」の落とし穴
オートパーキングブレーキはたしかに便利。しかし、思わぬタイミングで動き出してヒヤッとすることも

 さらにパーキングブレーキにも注意が必要だ。

 電動式では「スイッチを引く(または押す)」だけで作動するため、従来のような“踏み込んだ”“引き上げた”というたしかな感覚がない。

 実際、本当に作動したのか不安になり、何度も確認してしまったなんて体験をした人も多いはずだ。

 また、解除のタイミングがアクセル操作と連動しているタイプや、シフト操作に反応して自動で作動するシステムの場合、ドライバーが意図していない場面でパーキングブレーキが解除されることがある。

 例えば、「少し前に出して停め直したい」「車庫入れ中に細かく位置を調整したい」といったシーンで、ゆっくり動かそうとした瞬間にブレーキが勝手に解除され、車体が思った以上に動いて焦るといったケースも。

 こうした自動解除は便利に思えるが、操作の主導権がシステム側に移ってしまうことで、誤操作につながるリスクもある。

 逆に、踏み込み式や手引き式のパーキングブレーキは、操作した実感があるため、「ちゃんと利いている」という安心感がある。

 高齢者に限らず、操作の確実性を求める人には、アナログ式のほうが安心できる選択肢といえる。

シートまわりは手動のほうが微調整しやすい

  パワーシートや自動チルト&テレスコピックステアリング(ハンドルの位置調整)は便利な装備だが、操作にはそれぞれ専用のスイッチがあり、どのスイッチがどの動きと連動するのかわかりづらいことがある。

  さらに、スイッチを離すタイミングが難しく、思い通りの位置に止められないと感じる人もいる。特に微調整したい時に「ここで止めたい」という正確な位置でスイッチを離すのが難しく、止めるタイミングがズレることがある。

 特に、高齢者や操作に慣れていない人は、こうした「微妙な操作の難しさ」を感じやすいといわれている。

 いっぽうで、手動式のシートやハンドル調整は、レバーを引きながら自分の力で「このくらい」と動かせるため、直感的に扱いやすい。例えば、「あと数cmだけ前に出したい」「ほんの少し背もたれを起こしたい」といった微妙な調整が簡単にできる。

 こうした「自分の手で動かす感覚」があることで、調整に対するストレスが減り、毎日の運転姿勢が自然と安定する。特に、運転前に毎回ポジションを調整する人にとっては、手動のほうがかえってスムーズで快適だと感じることも多いのだ。

運転支援はオートでOK。でも、まかせきるのはまだ早い

 多くのクルマに標準装備されている“先進安全装備”は、安全運転を後押ししてくれる心強い味方だ。

 しかし、注意点はある。すべての制御をクルマまかせにしてしまうと、とっさの判断に遅れが生じることがある。

 例えば霧や豪雨では自動ブレーキが作動しないこともあり衝突リスクが高まる。車線維持支援は白線が薄い場所で誤動作し、車線逸脱を招くおそれがある。

 また、アダプティブクルーズコントロールは前のクルマが急ブレーキを踏んだ時に反応が遅れて、追突してしまう危険がある。

 自動駐車支援はスペースが狭い場所ではセンサーの誤作動や操作ミスが起こりやすく、かえって危険なこともある。

 大切なのは、あくまで「運転支援」であって、すべてをクルマにまかせきりでいいわけではないということ。ドライバー自身が常に周囲をしっかり確認し、いざという時には自分で操作して対応するという意識をもつことを忘れてはならない。

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