今や各メーカーとも車種ラインナップのスリム化に励んでおり、OEMモデルを除き姉妹/兄弟車や派生車は少なくなってきた。しかし過去には販売チャンネルを増やし、そうした車種を増やすことが販売台数増に繫がると考えられていた時代もあったのだ。ホンダもその例から漏れず、数多くのラインナップが存在したが、なかでも「アスコットイノーバ」あまり触れられていないのではないだろうか?
文:小鮒 康一/画像:ホンダ
【画像ギャラリー】アスコット、アスコットイノーバ、ラファーガ…… あとどれあったっけ!? ぶっちゃけどれくらい覚えてる?なアコード一族!(22枚)画像ギャラリー上級かつスポーティなモデルとして登場したアスコットイノーバ
当時のホンダプリモ店専売車種として1992年3月に登場した4ドアハードトップモデルがアスコットイノーバだ。プリモ店にはすでにアスコットという4ドアセダンが1989年9月からラインナップされており、その名を持つ派生車種として投入されたものだった。
アスコットは4代目アコードの兄弟車として投入されたモデルだったが、アコードのようにクーペやステーションワゴンなどのバリエーションは存在せず、どちらかというとフォーマルで保守的なセダンとなっていた。
ただ当時のプリモ店ではシビックや1991年登場のビートなど、スポーティさを持ち合わせたモデルもラインナップしていたため、アスコットイノーバもスポーティさを持ち合わせた上級モデルとして投入されたのだった。
そのため、セダンのアスコットに対してアスコットイノーバはハードトップを採用し、4ドアでありながらクーペのような流麗なデザインと低めの全高となっていた。
エンジンもアスコットに搭載されていたのと同じ2Lのほか、他の兄弟車などには搭載されていなかった2.3LのDOHCエンジンもラインナップされ、ハイオク仕様で165psを発生させるなど、4代目アコード派生のモデルの中でもやや異質な存在となっていたのである。
本家のフルモデルチェンジでまさかの個性埋没!?
ただアスコットイノーバ登場の翌年となる1993年10月には本家のアスコットが2代目へとフルモデルチェンジを果たし、新たにインスパイア/ビガー系のプラットフォームを使用するモデルへと進化。
そのため搭載エンジンも直列5気筒の2Lと2.5Lとなり、2.3Lをラインナップするアスコットイノーバの優位性が薄れる結果となった。
そこでアスコットイノーバも追ってモデルチェンジを実施するのかと思いきや、1994年2月にマイナーチェンジを実施して新グレードを追加するに留まり、96年12月に1世代のみで姿を消すこととなってしまい、わずか4年とちょっとの短命モデルに終わってしまったのである。
























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