【デリカは13年!! アクアは9年現役!!】長寿モデルが新型を出せない事情

ホンダ オデッセイ/2013年発売

オデッセイ/それまでの4代目モデル以前とは路線転換を図り、やや背が高いフォルムに。歴代モデルは概ね6年ほどで新型に刷新された

 現行モデルは2020年で7年目となるホンダ オデッセイ。

 ホンダの得意技「低床ワゴン」が一世風靡し、一時は「ミニバン=オデッセイ」というほど、イメージリーダー的な存在であった。

 なんと初代オデッセイは、登場翌年の1995年、車名別月間販売台数ランキングにて登録車1位(年販12万5590台)を獲得したほど。しかし2019年は販売台数1万4614台まで冷え込んでいる。

 オデッセイは、2013年に国内終了となった高級ミニバン「エリシオン」の役目も担うようになり、初期のオデッセイの売りであった「低さ」を諦め、全高を140-150mm上げて1700mmとした。

 しかし、現在の主流はアルファードやヴェルファイアのような1800mmを超えるミニバンであり、中途半端な高さのオデッセイは、ニーズとマッチせず販売低迷した、と筆者は分析している。

 オデッセイのキャラクターであった「背低ミニバン」は時代に合わなくなってきたことが、なかなか新型を出せない理由のひとつだろう。

マツダ6/2012年発売

マツダ6/2019年8月の改良で日本仕様の車名を「アテンザ」から変更。5~6年でモデルチェンジした歴代と比べても現行型のサイクルは長い

 アテンザ改めマツダ6もすでに8年目となった。

 現行型は2012年に登場した3代目。マツダ流デザインフィロソフィーを磨き、FFとは思えぬスタイリッシュなボディをまとって登場。

 2018年6月にビッグマイナーチェンジを実施し、2.2Lディーゼルの性能向上、内装の質感アップ、NVH(騒音・振動・ハーシュネス)性能改善、2.5Lガソリンに気筒休止機構、フェイスシフトなど商品力を向上。2019年8月にマツダ6と改名、新たに2.5Lターボエンジンモデルを追加した。

 モデルチェンジをしない理由だが、ご存じのとおり、「新FRプラットフォームの上級セダン」の登場を待っている状況だからであろう。2019年3月期のマツダ決算説明会において、将来的なプラットフォーム戦略が発表されている。

 小型車は、これまで通りのエンジン横置きFFプラットフォーム、中型以上のモデルには、縦置きエンジンの新開発FRプラットフォームが使われるという。

 2021年にも登場すると思われる新型FRセダンによって、現行型のマツダ6は役割を終えるのであろう。

日産 エルグランド/2010年発売

エルグランド/トヨタ アルファードの“先駆者”であった同車も気づけば登場から10年が経過。今なお現役として販売を続けている

 エルグランドもすでに10年目。1997年に登場した初代エルグランド(E50型)は、「大人数を乗せて快適に移動する空間」というコンセプトがヒットし、年間4万~5万台を売る人気ミニバンだった。

 現行モデル(E52型)も登場当初は、年間2万台ほど売れていたが、2019年は6729台にまで落ち込んでいる。

 エルグランドは、国内市場専用のミニバンとして開発され、豪華な内装・装備をもっているが、現在はアルファード/ヴェルファイアに顧客を取られている状況。

 日産にも、ディーラー界隈からの次期型エルグランド要望の声は、当然聞こえているだろうが、「出しても売れないかもしれないモデルにチャレンジできるのか」と考えているのかもしれない。

 それならばセレナに売り上げを集中させればいい、とも思えるが、エルグランドは日産のミニバンフラッグシップである。

 今一度、「アル/ヴェルが売れている理由は何か」を冷静に分析し、チャレンジしても良いのではないかと思う。

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