夏こそ気をつけたい! もううっかりは許されない!!! 最新のクルマでも寿命を縮めるNG運転とは?

夏こそ気をつけたい! もううっかりは許されない!!! 最新のクルマでも寿命を縮めるNG運転とは?

 人間にとってもクルマにとっても危険な日本の夏。この暑い今こそ、無意識の運転習慣を見直す季節です。気づかぬうちにクルマを傷めているNG行為と、対策方法を解説します。

文:ベストカーWeb編集部/写真:Adobe Stock(トビラ写真:Adobe Stock@bymandesigns)、写真AC

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ハンドルをいっぱいまで切った状態での発進・加速

ハンドルを思いきり切った状態で発進・加速をしていないだろうか
ハンドルを思いきり切った状態で発進・加速をしていないだろうか

 なんとなく気付かないうちにクルマの寿命を短くする運転をしていませんか? なぜNGなのか? そうすればいいのか、対策の内容を解説していきましょう。まずはハンドルをいっぱいまで切った状態で発進すると痛めてしまう行為から紹介します。

・なぜNG?

 ハンドルをいっぱいまで切った状態で発進・加速すると、足回り(ドライブシャフトやサスペンション)やエンジンマウント類にねじれや強い応力が加わります。これは想像以上に部品にストレスをかけ、ゴムブッシュの割れやマウントの断裂など深刻な故障につながります。特にFF車や4WD車では負担が顕著です。

・対策は?

 狭い駐車場などではついやりがちですが、可能な限りステアリングを真っ直ぐに戻してから発進する習慣をつけましょう。ハンドルを切りながら発進する場合も、アクセル操作を控えめにし、やさしくクルマを動かす意識が大切です。

据え切り(停止中のハンドル操作)

日々の運転操作において気を付けたいのが、クルマが止まっているときにハンドルをグルグル回す「据え切り操舵」。据え切り操舵をする場合は、わずかでもいいのでクルマを動かしながら操作しよう(PHOTO:写真AC)
日々の運転操作において気を付けたいのが、クルマが止まっているときにハンドルをグルグル回す「据え切り操舵」。据え切り操舵をする場合は、わずかでもいいのでクルマを動かしながら操作しよう(PHOTO:写真AC)

・なぜNG?

 車両が完全に停止した状態でハンドルを操作すると、タイヤが路面に強く押し付けられたままこすれ合い、偏摩耗の原因になります。さらに、パワーステアリング機構(EPS)にも高負荷がかかり、モーターの焼き付きや電動系の故障につながるリスクもあります。

 パワステは電動や油圧によるパワーアシストによって力ずくで動かしていますが、たまに1回や2回、「据え切り」したからといって壊れることはありません。

 しかし、 駐車する時やUターンなど日常的に繰り返していたなら注意が必要です。走行時よりパワーアシストする力が必要となるため、電気モーター(電気式)やパワーステアリングフルード(油圧式)が発熱しやすくなります。

 電気式の場合、電気モーターや配線が高温で傷む恐れがあります。平成初期まで主流だった油圧式の場合、油圧経路には常に高い圧力がかかっており、フルロック状態では逃げ場がなくなった圧力を解放するためリリーフバルブが開きます。頻繁に繰り返すとリザーバータンクからパワーステアリングフルードが吹き出したり、気泡が発生してしまうこともあるので要注意。

・対策は?

 駐車場で据え切りする場合は、クルマをゆっくり動かしながらハンドルを切ってください。その積み重ねがパワーステアリングを故障から遠ざけます。

遅れて強く踏むブレーキ操作

ブレーキの踏み方1つで寿命が変わってくる(Adobe Stock@tarou230)
ブレーキの踏み方1つで寿命が変わってくる(Adobe Stock@tarou230)

・なぜNG?

 信号が黄色に変わった瞬間に強くブレーキを踏み込む、または前走車に近づいてから急減速する――こうした“遅くて強い”ブレーキ操作は、パッドやローターに大きな熱を生じさせ、歪みや亀裂、異音の発生リスクを高めます。制動力の低下も招くため非常に危険です。

・対策は?

 減速の必要がある場面では、早めにアクセルを離し、軽くブレーキをかけて速度を調整しましょう。ハイブリッドやEVの場合は、回生ブレーキを活用することでメカニカルブレーキへの負担を軽減できます。結果として部品の寿命も延び、燃費にも貢献します。

Pレンジだけで駐車する

駐車する際、Pレンジのみで駐車していないだろうか?
駐車する際、Pレンジのみで駐車していないだろうか?

・なぜNG?

 オートマチック車でPレンジのみに頼って駐車すると、トランスミッション内部のパーキングポール(歯車ロック)が全ての力を受け止めることになります。特に傾斜地では、変速機への過大なストレスがギア破損やシフト不能につながるケースも報告されています。

・対策は?

 必ずパーキングブレーキ(サイドブレーキ)を併用すること。電子式のEPB(電動パーキングブレーキ)搭載車でも、停車後に手動で作動させる癖をつけておくとより確実です。

アイドリング中の電装品フル稼働

酷暑日が続く今の時期、エアコンを労わりましょう(Monika Wisniewska@Adobe Stock)
酷暑日が続く今の時期、エアコンを労わりましょう(Monika Wisniewska@Adobe Stock)

・なぜNG?

 35度以上の酷暑日にエンジンをかけたままの状態でエアコン・オーディオ・ナビなどを長時間使用していると、発電機(オルタネーター)とバッテリーが常にフル稼働状態となり、蓄電性能の低下や発熱・過負荷による故障のリスクが高まります。

・対策は?

 停車中は電装品の使用は必要最低限に。エアコンも内気循環モードや風量の調整をうまく活用し、燃費と負荷を最適化しましょう。断熱素材やベンチレーターなどの用品を併用するのも効果的です。

まとめ:NG運転を見直せば、クルマはもっと長持ちする

 夏場は熱・電装負荷・紫外線と、クルマにとって最も過酷な季節です。だからこそ、普段のちょっとした運転の癖を見直すことが、トラブル防止と寿命延長への第一歩になります。

 電子制御化が進んだ現代のクルマでも急のつく運転はジワジワとボディブローのように効いてきます。今日から始められる「クルマにやさしい運転」をあなたの新しい日常に取り入れてみてはいかがでしょうか。

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