鴻海と三菱自動車によるEVの共同開発が報じられたばかりだが、鴻海と日本の関係がさらに深まるかもしれない。日野自動車との統合を進める三菱ふそうが、なんと鴻海製のEVバスを導入するというニュースが飛び込んできた!
文:ベストカーWeb編集部/写真:フォックストロン
【画像ギャラリー】鴻海ショックを起こしそうなモデルTとモデルUを見て!(8枚)画像ギャラリージェイ・バスとは組まずに鴻海と組む?
報道は、台湾の鴻海(担当するのはEV事業を手がけるフォックストロン)が、三菱ふそうトラック・バス向けにEVバスを供給するというもの。同社はすでにモデルUというマイクロバスと、モデルTという大型バスを開発済みだが、この2車種をベースに三菱ふそう向けモデルが作られるという。この件について、三菱ふそうトラック・バス自体は正式発表を行っていない。
そもそもフォックストロンとは何か、だが、iPhoneなどの生産受託で知られる鴻海(フォックスコン)が、裕隆汽車などと組んで作ったEV開発企業だ。世界各国数千の企業と連携して「MIH」というEVプラットフォームを開発しており、小型車から大型車両まで、顧客のニーズに応じたEVを(制御ソフトやADASも含めて)比較的低コストで作れることを強みとする。
今回、三菱ふそうに供給すると噂される2種類のバスも、当然MIH製。ちなみに三菱ふそうトラック・バスと統合する日野自動車は、ライバルであるいすゞ自動車と合弁で「ジェイ・バス」というバス製造会社を運営している。
ジェイ・バスもすでにEVバスを手がけているから、三菱ふそうもジェイ・バスとの協業を探る方策もあったはずだが、あえて鴻海を選んだあたりに、同社の苦労がうかがえる(※日本経済新聞は独禁法抵触の可能性について触れている)。
いつかは純日本製バスに期待!
車両の概要だが、モデルUは、2024年10月に発表された比較的新しいモデル。全長6990mm、全幅2080mmというから、ジェイ・バス製の日野ポンチョのロングとまさに同寸。まさにそのポンチョに代わって、都市部や地方都市のコミュニティバスの電動化需要を取り込む狙いだと思われる。
いっぽうタイプTは、全長12m、全幅2.5mという大型路線バスで、ロボコップの目みたいな一文字ヘッドライトが特長。MIH初の商用車として2021年秋にデビューし、すでに台湾では主要都市の電動路線バスとして活躍している。ベースモデルは400kWhのバッテリーを搭載、航続距離は400kmだが、三菱ふそう向けがあるとすればバッテリーなどがアップデートされるのではなかろうか。
さておき、日本では、福岡の新興メーカー「EVモーターズ・ジャパン」ががんばっているものの、既存商用車メーカーの電動化がなかなか進まない。乗用車よりもはるかに厳しいコスト感と耐久性が求められる商用車ゆえの苦悩といえるが、このままでは日本の商用車の低迷に繋がりかねない。鴻海を軸とした三菱ふそうの新展開に、おおいに期待しよう。










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