塗るだけで車内の温度が5度下がる! 日産が開発した魔法の塗装がスゴすぎる!!

塗るだけで車内の温度が5度下がる! 日産が開発した魔法の塗装がスゴすぎる!!

 6月27日、西日本では異例に早い梅雨明けが発表された。となると待っているのはうだるような酷暑。そんな中、日産のまさかの技術が注目を浴びている。『自己放射冷却塗装』というものなのだが、とにかく車内温度を5℃も下げちゃうスゴイ塗装なのだ。いったいどんな技術なのよ?

文:ベストカーWeb編集部/写真:日産自動車

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メタマテリアルが生んだ“熱を逃がす”塗装

通常塗装と自己放射冷却塗装で車体や車内の温度を計ると劇的な違いが!
通常塗装と自己放射冷却塗装で車体や車内の温度を計ると劇的な違いが!

 この塗装のキモは、自然界には存在しない特性を持つ人工物質「メタマテリアル」の活用にある。一般的な遮熱塗料は、太陽光の近赤外線を反射する粒子を含むのだが、日産の新技術は、熱を電磁波として放射する粒子も含んでおり、これによってクルマの塗装面から熱エネルギーを大気圏外に放出することが可能となる 。いわゆる放射冷却と同じ仕組みだ。

 実際、通常塗装と比較した実証実験では、ボディパネル表面で最大12℃、運転席頭部空間で最大5℃の温度低下を確認したという 。この技術は、エアコン使用時のエネルギー消費を減らし、燃費や電費の向上にも貢献する可能性がある。

実証実験は羽田空港で進行中

舗装の照り返しがキツイ羽田空港でも実験が行われた
舗装の照り返しがキツイ羽田空港でも実験が行われた

 日産は、放射冷却製品の開発を専門とするラディクール社と共同でこの塗料を開発し、2023年11月から羽田空港で実証実験を実施した。ANAエアポートサービスが使用するNV100クリッパーバンに自己放射冷却塗装を施し、耐久性や性能の維持状態、退色、変色などを評価。その結果、性能は良好に維持され、十分な耐候性と機能性が確認されたようだ。

 この塗装は、白色での展開が中心であり、塗膜が厚いことから、現時点では量産車への展開はない。しかし、救急車や商業車、送迎バスなどであれば塗膜が多少厚くなる塗料であっても今の設備で塗装ができるため、まずは特装車からの採用を検討している 。

 エネルギーを使わずに車内温度の上昇を防ぐ革新的な技術。ますます厳しさを増す日本の夏には、ぜひとも普及してほしい!

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