先代と航続距離は同等ながら、急速充電性能が大幅に進化!!
パワートレインには、モーター、インバーター、減速機を一体化した「3-in-1パワートレイン」を採用。バッテリー容量は52kWhと75kWhの2種類が用意され、北米市場ではエントリーグレードに52kWh、それ以上の3グレードに75kWhが搭載される。
航続距離に関しては、75kWh仕様で約600km。先代60kWhモデルの約450kmから、約150kmもの延伸が実現された。アリアB9(91kWh、640km)やB6(66kWh、470km)と比較して、バッテリー容量を抑えながら近い航続距離を確保しており、効率の高さがうかがえる。
ただし、実際の使用環境では公称値の約7割程度が現実的とされるため、実走行では75kWhモデルで約420km程度と考えておいたほうがよいだろう。出力やスペックは以下の通りだ。
・52kWh仕様:130kW(177PS)/345Nm、最高速度160km/h
・75kWh仕様:160kW(217PS)/355Nm、最高速度160km/h、航続距離 最大303マイル(EPA基準)/日本・欧州で約600km相当
ただ、今回の新型リーフで注目すべきは、充電性能の進化だ。新型リーフは最大150kWの急速充電に対応し、バッテリー残量10%から80%までを約35分で充電可能。また北米仕様では北米充電規格(NACS)コネクターを採用し、テスラのスーパーチャージャーにも対応するなど、現地での利便性が大幅に向上している(日本仕様はCHAdeMO方式、欧州仕様はCCS方式を採用)。
加えて、日産独自の電力マネジメントアルゴリズムにより、バッテリー温度の自動調整を行い、寒冷時の回生性能や暖房効率も向上。先代で課題となっていた「夏場の高速走行後に充電速度が低下する」ケースも、改善される見込みだ。もちろん気温や走行条件によって影響が残る可能性はあるが、今回の新型で多くの不満点が潰されていることは歓迎できる。
価格は先代より若干アップの460万円前後からか!??
気になる車両価格については、現時点発表はないものの、3-in-1パワートレインでのコストダウンがあったとしても、大容量バッテリーを搭載する以上価格を抑えるのは難しく、先代が40kWh仕様で税込408万円~、60kWh仕様で525万円~(プロパイロットは別途約10.5万円)だったことを考えれば、52kWh仕様で460万円前後、75kWh仕様で580万円前後になるのではと予想される。先代と同等の補助金(2025年度は89万円)があったとしても、約371~491万円と決して安くはなく、購入者層は限られることになるだろう。
日本でも税込418万円からという価格で販売されているBYD「Atto3」(58kWh、2025年度のCEV補助金は35 万円)など、手に入れやすいBEVが増えてきており、新型リーフがこれらとどう戦っていくのかは注目ポイント。リーフを「格上げ」する戦略をとったならば、日産には、サクラと新型リーフの間にくる新たなコンパクトEVを別途投入することを視野に入れて欲しいところ。はたして日産は今後、どのようなBEVラインアップを展開していくのか。新型リーフの販売動向とともに、注目したい。
【画像ギャラリー】ハッチバックからクロスオーバー化で新境地へ!日産新型「リーフ」(18枚)画像ギャラリー



















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