2024年11月に、スズキがイタリアで初公開した同社初の本格的なBEVである「eビターラ」が、2025年中に日本市場に投入される見通しだ。すでにグローバルで注目されつつあるeビターラだが、はたしてどんなクルマなのか?? 日本市場で「売れる」存在となるのか!? そしてスズキらしさはきちんと仕込まれているのか!?? その実力と可能性を大きな期待とともに考えてみよう。
文:立花義人、エムスリープロダクション/写真:SUZUKI
【画像ギャラリー】これは売れるかも!?スズキの新型BEV「eビターラ」を写真でもっと見る(13枚)画像ギャラリースズキ×トヨタで誕生!「eビターラ」はグローバルEV戦略の第一弾
「eビターラ」は、スズキとトヨタの協業により開発された、グローバルEV戦略の第一弾モデルだ。インド市場で2023年に公開されたコンセプトモデル「eVX」の量産モデルにあたる。
全長は約4,300mmと、Cセグメント相当のコンパクトSUVだが、同社の現行モデル「フロンクス」よりもやや大きく、同社のラインアップでは上級モデルとして位置づけられることになりそうだ。
プラットフォームは新開発のEV専用アーキテクチャ「HEARTECT-e」を採用。パワートレーンは前輪駆動(FF)のシングルモーターが基本だが、上級グレードにはデュアルモーターによる4WD仕様も用意される。バッテリー容量は49kWhと61kWhの2種類で、トヨタbZ4Xよりも価格を抑えた現実的なスペックとなることが想定される。
インテリアは、10インチクラスの大型ディスプレイを中心に、シンプルなインターフェース設計がなされているが、物理スイッチもある程度残されており、先進性と扱いやすさの両立を意識した造りとなっているようだ。特別目新しいデザインは見られないものの、従来のスズキ車とは一線を画す力強さや先進的な雰囲気は十分に感じられる内外装デザインだ。
2025年春よりインドのスズキ・モーター・グジャラート社で生産を開始し、2025年夏頃から世界各国で順次販売が開始されるとされており、日本でも販売が開始される見込みだ。
BEVとしては軽い車重、過不足ない先進装備など、ちゃんと「スズキらしさ」が!!
これまではハイブリッドに注力してきたスズキが、BEVコンセプトの発表や2023年の電動化投資表明を経て、いよいよ本格的なBEV展開に踏み出す、その第一歩であるeビターラだが、スズキが売る以上は、同社の真骨頂ともいえる「生活者目線の実用性」と「高いコストパフォーマンス」が求められることになるだろう。
スズキはこれまで、軽自動車やコンパクトカーを通じて「小さくて使いやすい」クルマづくりを追求してきた。その哲学をBEVにどう活かすかが問われることになるが、eビターラは、BEVとしては比較的軽量に抑えられた車重やシンプルで扱いやすい内装、過不足ない先進装備など、「ちょうどよさ」を感じさせるパッケージング。
それでいて、駆動用モーターのスペックは、もっとも強力である4WDの61kWhグレードは、最高出力がフロント135kW+リア128kW、最大トルクが300Nmと、1.9トンを下回る車重に対しては上々のスペックを誇る。また、18インチから19インチの大径タイヤ(225/55R18、225/50R19)を装着しながらも、5.2mの最小回転半径を達成しているところは、「超」をつけたくなるほど優秀だ。ちなみにbZ4Xは5.6mと大きい。
















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