真夏の車内って、実はたった15分で命に関わる“危険地帯”に変貌するって知っていただろうか? JAFの実証テストによると、エアコンを切った瞬間から熱中症リスクは急上昇! 特に子どもや高齢者、ペットにとっては命取りになる恐れもあるという。今回は、この危険な「車内放置」についてフォーカスする。
文:ベストカーWeb編集部/写真:JAF、Adobestock(トップ画像:Qiteng T@Adobestock)
夏の車内は灼熱地獄!? JAFのテストが暴いた現実

JAF(一般社団法人 日本自動車連盟)大阪支部が2025年7月18日に発表したプレスリリースが、クルマユーザーに向けて警鐘を鳴らしている。
関東でも梅雨明けが発表され、いよいよ本格的な夏がスタート。気温も湿度もグンと上がるこの季節に、JAFは「駐車中の車内温度の上昇は命に直結するレベル」と注意喚起しているのだ。
実際、2024年7月だけで4万3195人が熱中症で救急搬送されており、7月は年間でも搬送者数が多い月のひとつとなっている。
さらに、コンビニやスーパーの駐車場に停めた車に子どもを残した状態を想定して行ったJAFのユーザーテストでは、車内に子どもを残してからわずか15分で、熱中症指数(WBGT)が“危険”レベルに到達するという驚きの結果が出ている。
エアコンOFFで一気に危険域へ!
テストの結果、エアコンを作動させている間の暑さ指数(WBGT)は約18℃で「ほぼ安全」とされたが、エアコンを停止してから5分で「注意」(25℃超)、10分で「警戒」、そして15分後には「厳重警戒」から「危険」(31℃以上)に達したという(出典:JAF「熱中症指数の推移」グラフ)。
このスピード感、正直ちょっと想像を超える。「ちょっとだけなら大丈夫」と油断して子どもを車内に残したら、取り返しのつかない事態になる危険性がハッキリと証明されたのだ。
車内温度は最高57℃!? 日差し対策でも“完全防御”はムリ!
2012年8月にJAFが埼玉県で行った別のユーザーテストでは、気温35℃の炎天下に置かれた黒いボディの車内が最高57℃、ダッシュボードに至ってはなんと79℃まで上昇。もはやサウナどころじゃない。
サンシェードを付けたり、窓を3cmほど開けたりといった工夫にはそれなりの効果が見られたものの、結論としては「どの対策も暑さを完全には防げない」という結論だった。
エンジンを止めた瞬間から急激に温度が上がるため、「対策してるから大丈夫」とは決して言い切れないのだ。
子どもやペットが鍵を操作!? 「キー閉じ込み」も見逃せないリスク
大阪府内では、2024年4月~2025年3月の1年間で「キー閉じ込み」トラブルによるJAF出動件数が1万6775件にも達している。7月から9月までの夏季においても、関西2府4県で4306件、大阪府だけでも1670件が発生。
「子どもが鍵をいじっていたらロックしてしまった」「ペット(犬)がうっかりロックボタンを押してしまった」といったケースが報告されている。
閉じ込められた状態での車内放置は、熱中症による命の危険と直結する。特に乳幼児は体温調整機能が未発達であり、ほんの短時間でも命に関わるリスクが跳ね上がる。










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