2025年前半も、さまざまな自動車関連ニュースが駆け巡った。日産には袖にされた鴻海だが、捨てる神あれば拾う神……三菱が鴻海傘下のフォックストロンとBEVのOEM供給に関する覚書を締結した。三菱にはどんなメリットがある!?
※本稿は2025年6月のものです
文:井元康一郎/写真:三菱、ベストカー編集部
初出:『ベストカー』2025年7月26日号
互いの事情がぴったりマッチ!!
2025年5月7日、三菱自動車は台湾の電子機器世界大手、鴻海科技集団傘下の自動車メーカー、Foxtron(フォックストロン)とBEVのOEM供給に関する覚書を締結したと発表した。
鴻海はBEV分野では後発で、フォックストロンを設立したのは2020年。その鴻海が考えた市場に割って入る策がOEM。すなわち、自社で開発したBEVをほかのメーカーに供給しつつ、将来的には他メーカーからの開発受託を目指すというものだ。
会社の規模が小さく、BEV開発に手を出す余裕のない三菱自動車としては、BEVをOEM供給で補えれば出遅れを防げるうえ、得意のPHEV(プラグインハイブリッドカー)に専念できるということにもなる。
一方の鴻海も先進国メーカーとの協業の実績ができれば将来の展望が開ける。互いのニーズがマッチしての協業だが、上手くいくかどうかは未知数だ。

















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