先頃、欧州市場に投入予定のグランディスが発表された。その名を懐かしむ人は少なくないだろうが、まさかのSUV。ミニバンとして世間をにぎわせたグランディスではないのだ。今回は、惜しまれつつも消えていったミニバンたちを紹介しよう。
文/木内一行、写真/日産、ホンダ、マツダ、三菱自動車、CarsWp.com
【画像ギャラリー】消えた名ミニバンたちの足跡をたどる(15枚)画像ギャラリー「ジャパニーズ・モダンを感じさせるピープルムーバー」 三菱・グランディス
グランディスの名が初めて使われたのは28年も前のこと。3代目シャリオにサブネームとしてつけられたのが始まりだ。その後シャリオは消滅し、2003年にグランディスとしてリスタートを切ったというわけだ。
ミニバンとしての快適性を追求しながらスポーティさを持ち合わせ、新しい価値観を持つクルマとして開発されたグランディス。
スポーティ&エレガンスな造形をベースに「ジャパニーズ・モダン」な美しさを表現したエクステリアや、ウェーブラインを基調として日本の美意識を秘めた「くつろぎを与えるリビング」としたインテリアなど、デザイン面でのハイライトは多い。
さらに、新開発の2.4リッターMIVECエンジンにより、ストレスを感じさせない走りとともにトップクラスの低燃費性能や環境性能を実現。
前出のコルトでも採用された、オーダーメイド感覚で自由に仕様を選べる「カスタマーフリーチョイス」も見どころのひとつだ。
そして、走りの「スポーツ-E」やSUV風の「スポーツギア」といった異なるキャラを追加し、大幅なマイナーチェンジを行うなどして商品力を高めたがセールスは伸び悩み、2009年に日本での販売は終了。グランディスの車名もひとまず消滅したのである。
「センターピラーレスで抜群の乗降性&積載性を」 トヨタ・アイシス
アルファードを筆頭にさまざまなミニバンをラインナップするトヨタが、2004年に送り出したニューカマーがアイシスだ。
国内専用車として開発されたアイシスは、助手席側のセンターピラーをドアに内蔵したミラクルオープンドアを採用したことが最大のトピック。これにより、1890mmという圧倒的な広さの開口部を実現し、乗降性とともに積載性も大幅に高まった。
さらに3列7人乗りの居住空間は、助手席タンブルシートやチップアップ機構付きセカンドシート、後方床下格納機構付きサードシートなどを採用し、多彩すぎる(?)シートアレンジを可能としたことも大きな魅力。
エクステリアはスタイリッシュかつモダンなデザインで、ロールーフタイプゆえ腰高感も皆無。エアロパーツを装着したドレスアップグレードも設定された。
エンジンは1.8リッターと2リッターの直4だが、2009年のマイナーチェンジでともにバルブマチック付きに変更。燃費性能も向上したのである。
そして、ロールーフタイプながらスライドドア仕様という希少性もあってか、13年間もフルモデルチェンジせず販売。1世代で消滅したものの、まぎれもないベストセラーモデルだった。

















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