狭い場所でも開閉しやすく、開口部が広くて乗降性や積載性にも優れるスライドドア。便利なことは間違いないが、そこにこだわりすぎると選択肢が狭まってしまうことも事実。さらに、後席を使う機会が少なければ宝の持ち腐れだし、デメリットがないわけでもない。スライドドアじゃなくても魅力的な軽ワゴンはたくさんあるのだ。
文/木内一行、写真/スズキ、ダイハツ、日産、ホンダ
【画像ギャラリー】今こそ選びたい“開く”軽ワゴン(12枚)画像ギャラリー「根強い人気はさすが! ハイトワゴンの先駆者」 スズキ・ワゴンR
軽自動車市場にハイトワゴンというジャンルを開拓し、パイオニアとしてその地位を確立したワゴンR。初代デビューは1993年だからその歴史は30年以上にも及び、現在は6代目となっている。
その現行モデルは、軽ワゴンならではの使い勝手の良さをさらに向上させるとともに、室内空間を拡大。ユーザーの嗜好に合わせるべく3種のデザインを用意した。
エクステリアは一新され、三角形で骨太のBピラーが特徴的。端正なマスクの標準モデルのほか、上下分割ライトでスポーティなFZ系、ドレスアップモデルのスティングレーをラインナップ。
シンプルで使いやすく、広さを感じさせるインテリアは、グレードによって内装色や加飾パネルを変更して差別化している。
パワートレインは、ガソリンの自然吸気とターボ、ハイブリッドの自然吸気とターボを設定。特にハイブリッドはISG(モーター機能付き発電機)の高出力化とリチウムイオンバッテリーを大容量化したシステムを採用。
発進時にモーターのみで走行できるようになり、減速時でもモーターによるクリープ走行が可能になった。また、2019年には自然吸気エンジンが新開発ユニットに変更され、2022年にはFZ系に代えてカスタムZが新設されるなどテコ入れされた。
現行モデルは2017年にモデルチェンジして8年あまり生産されてきたが、いまだに堅調に売れている。そして、ワゴンRとしては2023年11月に国内累計販売台数500万台を達成。この記録はまだまだ伸びるだろう。
「日産が初めて開発した軽ハイトワゴン」 日産・デイズ

日産と三菱の合弁会社NMKVがマネジメントを行い、eKワゴンと姉妹関係にあるデイズ。
初代は三菱が開発から製造まで行っていた“実質三菱車”だったが、2019年にモデルチェンジした2代目は日産が企画・開発を担当し、三菱が生産。つまり、日産が初めて開発を手がけた軽自動車なのだ。
そんな2代目デイズは、親しみやすさや信頼感を表現した標準仕様のほか、スタイリッシュでスポーティなハイウェイスターをラインナップ。
エクステリアは躍動感がありダイナミックなデザインで、インテリアは先進性と洗練度を高めた心地いい空間としている。
また、プラットフォームからパワートレインまで全てを刷新し、軽自動車という限られたサイズのなかで広いキャビンスペースと広いラゲッジスペースを両立。ヒンジドアのハイトワゴンながら、圧倒的な空間を手に入れたのだ。
一方エンジンは3種、自然吸気ガソリンのほか、ハイブリッドは自然吸気とターボの2タイプを用意し、全車新開発のCVTが組み合わされる。
そして、軽自動車で初めてプロパイロットを装備するなど、安全で快適なドライブをサポートする先進技術の数々も大きな魅力。2023年のマイナーチェンジでは、軽自動車で初めて後側方車両検知警報と後退時車両検知警報を装備するなど、さらに安全性を高めた。













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