2025年6月、11年ぶりのフルモデルチェンジで7代目となった新型ダイハツ ムーヴ。新型では、全高1655mmのハイトワゴンながらスライドドアを装備。自然なバランスを維持しながら利便性もアップ。タントオーナーの清水草一氏が試乗!!
※本稿は2025年7月のものです
文:清水草一/写真:中里慎一郎、ダイハツ
初出:『ベストカー』2025年8月10日号
戦隊モノ風の元気なテイストで登場
●ダイハツ ムーヴのポイント
・全高1655mmのハイトワゴンながら、ニーズの高いスライドドア装備
・カスタムを廃止してシャープなルックスの標準仕様に一本化
・売れ筋「X」グレードは150万円を切る価格設定
軽自動車はスーパーハイトワゴン全盛。スーパーハイトじゃなきゃ量販はムリになり、かつて主力だったムーヴやワゴンRなどのトールワゴンは、だいぶ日陰の存在になった。
ダイハツでは、ムーヴ≒キャンバスとなって約2年。もはやフツーのムーヴはいらない? という状態だったが、予定より約2年遅れで、新型が登場しました。
新型ムーヴ最大のトピックは、リアドアが人気のスライド式になったことだ。全高も25mm上がり、キャンバスと同じに。つまりフツーのムーヴは、実質的にキャンバスのデザイン違いになったわけですね。
そのデザインはというと、カワイイ系のキャンバスとは逆の昭和カッコイイ系。顔もお尻もどことなく『ゴレンジャー』っぽい。ゴレンジャーシリーズは半世紀後の現在も続いてる。不滅のテイストなのだろう。
ハイトワゴンならではの軽快な走り味!
見た目は男の子系のムーヴだけど、メカは女の子系のキャンバスと完全に同じ……でもない。足回りがソフトなキャンバスに比べると、ムーヴはだいぶソリッドな仕上がりで、とてもバランスがいい。
現在の軽スーパーハイトワゴンは、クルマとして高すぎる全高をなんとかバランスさせるため大変な苦労をしているが、そういうのなしに、とっても自然かつフツーに走ってくれる。タントオーナーのオレが言うんだから間違いない。
逆に言うと、「クルマって、全高を100mm削るだけで(注/タント比)こんなに走りが自然になるのか!」と感動する。後席の快適性の高さも大したもんだ。
エンジンはノンターボとターボの2種類。車両重量がタントより50kgくらい軽いので、ノンターボでも問題なく走るけど、すべてが猛烈にフツーで空気みたい。
一方ターボ(RS)は、軽としてはややゼイタクながら、ちょっと過剰な感じが刺激的でちょうどいい。足回りも、少しだけ引き締まっている。
新型ムーヴはリアスライドドアなので、使い勝手はタントと大差ない。理詰めで考えりゃ、タントよりムーヴだろ! 値段だって10万円ちょい安いし。
とは言っても、一度スーパーハイト系の積載性を知ってしまうと、全高を100mmダウンさせるのは、なかなかキビシイ決断だ。年に一度くらいは、背の高い荷物を積んだりするものですからね。
そこを割り切って新型ムーヴを選ぶあなたは勇者。タントオーナーとして応援します! もちろんキャンバスもイイよ。どっちもDNGAですから、カーマニアとして太鼓判。



















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