クルマに乗っていると減り、減ったら補充しなければならないもの第1位はガソリン、その次はおそらくウィンドウのウォッシャー液だろう。なのに、ウォッシャー液について間違った知識を持つ人は意外と多い……。
文:山口卓也/写真:写真AC、Adobe Stock
【画像ギャラリー】ウォッシャー液を甘くみてはダメ!(5枚)画像ギャラリーウォッシャー液の役割
梅雨から夏にかけて暖かくなってくると、フロントウィンドウには花粉や虫の死骸、跳ね上げられた泥水などがかかり、汚れが気になってくる。
そんな時はウォッシャー液を噴射し、ワイパーを動かすことで視界を確保できる。ワイパーをそのまま動かすと「ガラスに傷が付く」と考え、必ずウォッシャー液も使うだろう。
だがこのウォッシャー液、今使っているものがどんな種類のものなのか? を明確に答えられる人は非常に少ない。
⚫︎ウォッシャー液の成分と効果
ウォッシャー液には、ワイパー使用時にウィンドウに噴霧することで
・汚れを浮かせ、汚れを落ちやすくする
・ウィンドウとワイパーの摩擦を減らして、ウィンドウやワイパーの損傷を防ぐ
などの効果がある。また、あまり知られていないがメタノールを含む製品には毒性があるため、誤飲防止や識別のために青色に着色されていることが多い。
その主成分は「界面活性剤」や「アルコール類(メタノールやエタノール)」で、その他に「防錆剤」「防腐剤」「着色料」なども含まれている。
主成分のひとつである「界面活性剤」は汚れを浮き上がらせ、「アルコール類(メタノールやエタノール)」は凍結防止や解氷作用、乾燥を早めることによる拭き取り性向上のために含まれている。
水道水を補充するとどうなる?
「今自分がどんな種類のものを入れているのかわからない……」と、安易に水道水を入れる人もいるかもしれない。
だが、結論から言うと、この行為はやめておいたほうがいい。
まず、それぞれの「油膜落とし効果」「撥水効果」「凍結防止効果」などが正しく発揮されなくなることはもちろん、防腐剤が含まれていない水道水では、タンク内で雑菌が繁殖し、カビや藻などが発生する可能性が高いからだ。
カビや苔、藻などが繁殖するとパイプやノズルなどの詰まりを引き起こすおそれもある。
また、「専用のウォッシャー液の購入が面倒だから……」と薄めた台所用洗剤などの使用も×。ボディの塗装面に残った場合は落ちないシミになる場合もある。
さらに、寒冷地でこの行為を行うと、ノズルやパイプ、パイプの接続部が凍結によって破損する場合もある。
事実、寒冷地に住む友人のクルマのウォッシャー液がモーター音はすれど出なかったことがあり、「もしかして水使ってた?」と聞くと「……」の返答。パイプや接続部はある程度の柔軟性があるが、やはり経年劣化はする。そこに凍結が加わると意外と簡単に破損してしまうものなのだ。
ウォッシャー液は用途や季節で正しく選ぶ
「ウォッシャー液にそんなにたくさん種類あるの?」と思われるかもしれないが、これが意外と多い。
・スタンダードタイプ
洗浄成分のみの一般的なタイプで、カーショップなどで売られている大容量タンクのものの多くはこちら。コストパフォーマンスに優れる。
・油膜除去タイプ
スタンダードタイプの洗浄力を強化したもので、「油膜除去」などを謳っているタイプ。洗浄能力がアップしており、雨や排気ガスなどによる軽めの油膜を落とす効果がある。
・撥水タイプ
ウィンドウに噴射すると撥水効果を発揮してウィンドウに付く雨を弾く効果があり、雨天走行時の視界確保につながる。
・寒冷地タイプ
氷点下でも凍結しないため、寒冷地に住むドライバーなら必須。温度帯によって細かく分かれているものもあり、積雪地以外でもレジャーなどで寒冷地に行くなどで使う人は意外と多い。
さらに、原液をそのまま使うものや希釈して使うものなどもあり、使う場合は裏面などに記載してある注意書きをよく読んで使いたい。
ところで、これらを混ぜて使うとどうなるのか?
やはりそれぞれの性能を正しく発揮できないので、混ぜるのはアウト! である。特に「油膜除去タイプ」と「撥水タイプ」はNG。
ウィンドウの油膜を除去するものと、コート剤でコーティングして撥水効果を得るものは、いわばまったく逆の性質を持っているため。
混ぜれば正しく効果を発揮できないうえ、ノズルを詰まらせることもある。
よって、ウォッシャー液補充時に違うタイプのものを使う場合は、残量が少ない場合のみ操作レバーを操作して使い切ってから補充すること。残量が多いのに長時間操作レバーを使うと、モーターが故障する場合があるので要注意!
残量がかなりある場合はタンク内が減ってから補充するか、新しい灯油ポンプの使用、サイフォンの原理を利用してホースで吸い出すなどで、必ず残量をしっかり抜いて「混ぜない」ようにしたい。
ちなみに筆者は、ウォッシャー液を混ぜないように「自身がどのタイプを使っているか?」をマスキングテープに書き、ボンネット内に貼り付けている。
かなりアナログな手法だが、自分の認識と現状が違うことのほうが多いのでお薦めだ。








コメント
コメントの使い方