カーオーディオのチューニングは昔から盛んで、自動車メーカーも名だたるスピーカーメーカーとタッグを組みながら、クルマの中の音響には常にこだわりを見せている。特に最近のクルマのスピーカーの数には驚かされるばかりだ。もうスピーカーは、「何を」付けるかではなく、「どれだけ」付けるかが大事になってしまったのだろうか。スピーカーの多いクルマの音響は本当にイイのかを考えていきたい。
文:佐々木 亘/画像:トヨタ、ベストカーWeb編集部
【画像ギャラリー】サウンドも見た目も平成のイケイケ! 光るスピーカーが主張するトヨタbB! 令和のイケイケは豪華さと音響! 内装もすごいがサウンドも上級! アルファード&LM!(23枚)画像ギャラリーとりあえず6つもあれば十分だと思うのだが
40年位前まで時を遡ると、クルマのスピーカーなんてフロントに2個だけついているのが普通だった。リアスピーカーなんて豪華な装備だったわけだが、21世紀になることにはこれが大きく変わっていく。
軽自動車でもコンパクトカーでも、4つのスピーカーが付くのは当たり前。ちょっと良いクルマになると、ツイーターという高音域だけを担当するスピーカーが付いてきたり、サブウーファーが純正オーディオでも取り付けられたりするようになっていった。
加えてこの時代は、どこのスピーカーを載せているのかも非常に重要だった頃。BOSEやJBLといった、有名スピーカーメーカーのサウンドシステムが付いていると、ちょっと偉ぶったりしたものである。
それがさらに10年・20年経過すると、どこのスピーカーを誇るよりも、何個スピーカーが付いているのかを誇るような時代になった。すると純正オーディオでも10スピーカー、12スピーカーなんていうクルマが、当たり前に出てくるようになる。
嗜好性が高く、何が正解なのかがよくわからないカーオーディオの世界。とりあえずクルマのスピーカーなんて、6つもついていれば十分だと思う筆者などは、時代に置いて行かれている状況だ。
音のいいトヨタ車ってどれだろう? スピーカーの数が多いクルマ選手権!
各社・各メーカーで、音響に関するこだわりは違う。メーカーの垣根を超えて横並びに比較はできないので、今回は同一メーカー内で比較をしていきたい。今回は、トヨタ編だ。
トヨタの「音」に特化したクルマとして、アラフォー以上の世代が真っ先に思い浮かぶのは、2代目bBではないだろうか。音と光を組み合わせて、車内でマッタリできるZ‘‘Q version’’というグレードがあった。
このグレードには9つのスピーカーがついている。ツイーターがフロントピラーとインパネに2つずつ、フロントドアとリアダクトにスピーカー2つずつ、インパネ下にパワードサブウーハーが1つという配置。
これに、「パワービート・リアブースト・BGM・ナチュラル」という4つのオーディオモードが用意され、さながらジュークボックスをイメージさせるクルマであった。コンパクトカーのbBに9つのスピーカーというだけで十二分のように感じるのだが、最近のミニバンはbBを大きく凌駕してくる。
例えば、ミドルサイズミニバンのノアには、ディスプレイオーディオPlusをメーカーオプションで選択すると12個もスピーカーが付いてくる。しかも純正の13.2型有機EL後席ディスプレイ自体にも背面アクチュエーターが内蔵されているため、ミニバンの定番であるフリップダウンモニターを付けると、スピーカーの数は13個だ。

























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