妥協ないクルマ作りだが高価ではある……清水草一(N-BOXと迷った末に現行タントオーナー)
私は現行タント(介護車両)オーナーだ。5年前に買った時点では、N-BOX(先代)に勝っていた部分があった。DNGAのシャシー性能とボディカラーだ。介護車両にオシャレな2トーンカラーがある軽スーパーハイトワゴンは、タントだけだった(今も)。
しかしN-BOXは新型になり、介護車両のボディカラーを除くあらゆる面で、現行タントは負けている。
と言うより、現行N-BOXのクルマとしてのデキは軽のレベルを超え、「最善か無か」時代のメルセデスに近づいている。
妥協のないクルマ作りが、「N-BOXはいいよ」と口コミ的に広がっていると想像する。
●N-BOX「〇」の部分
具体的には、ボディ剛性を含むシャシー性能や乗り心地、ステアリングやペダル類の節度ある操作感、驚くべき静粛性……などなど。どこにも妥協が感じられない。
軽スーパーハイトワゴンのディメンションで、ここまで完璧に仕上げるなんて信じられない。現行N-BOXは、まさしく「最善か無か」なのである。
●N-BOX「×」の部分
あえてダメな部分を挙げると、ライバルに対して約10万円高い値段ということになるけど、これだけ中身がいいんだから、それくらいオッケーじゃないか? 実際、販売のハンデになってないわけで。
ほかに弱点を探すと、軽スーパーハイトワゴンに共通する絶対的な重心の高さ。軽ハイトワゴンクラスに乗り換えると、クルマとしての動きがまったく違う。
でも、居住性や積載性では、N-BOXの圧勝……と勝負にならないので、そのネガ部分は、カーマニアの繰り言でしかないけど……。
運転支援機能には100%満足できず……徳田悠眞(現行N-BOXオーナー)
2代目から乗り換え、3代目(現行)N-BOXを1年7カ月乗った筆者。さらに、ライバルのスズキスペーシアも同時期に愛車だったので、現行N-BOXの良し悪しはよくわかる。紹介していこう。
●N-BOX「〇」の部分
軽なのにエクステリアの灯火類がフルLEDなのは魅力的。ナンバー灯にまでLEDを使う贅沢っぷりだ。流行りの一文字ランプも採用し、見事に先進感を表現している。
実用面でいえば、マルチビューカメラシステムのボタン配置が秀逸。ワイパーレバーの先端にあり、ハンドルから手を離さずにカメラを起動できる。ホンダ車は基本的にここなので、運転中迷わないのもいい点。
また、後席空間の広さはさすが。MM思想によってミニバン顔負けの余裕を生み出している。
走りもいい。非ハイブリッドだというのにパワフルに加速するさまや、優れた乗り心地と静粛性など、動的質感はクラストップ級だ。これならファーストカーとして選べるはず。
●N-BOX「×」の部分
プレーンすぎるインテリアはイマイチ。パッと見た時の華やかさがなく上質感が足りない。人間と同じで第一印象は大事。
室内装備は不満も多く、収納力が低い、ステアリングヒーターが付いていない、後席用サーキュレーターがないなど、細やかな配慮が足りないことも事実である。
また、運転支援機能に注目すると、低速域でのステアリング支援機能がない。メーター値約50km/hを下回ると加減速支援だけになってしまうのが残念。
フィットなどに備わるトラフィックジャムアシスト(渋滞運転支援機能)をぜひ付けてほしい。
※徳田悠眞氏……「GOOD CAR LIFE Channel」の「ゼミッタ」として知られるYouTuber。チャンネル登録者数13万人以上。2025年7月現在、愛車を9台所有し、試乗レポートを続々公開中!
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N-BOXと縁の深い3人だけに、「×」部分もしっかり指摘。が、それらネガ要素がかすんでしまう「〇」部分が盛りだくさん。
N-BOX、やはり「最強国産車」と言えそうだ!




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