ほぼ定期開催している「ベストカー執筆陣が選ぶ日本車ランキング」。ここでは2025年盛夏期コンパクトカー部門を発表する。コンパクトSUVを別部門としたので全11車種となったが、各メーカーが力を入れている激戦カテゴリーだ!!
※本稿は2025年7月のものです
文：渡辺陽一郎、島崎七生人、飯田裕子、ベストカー編集部／写真：ホンダ、日産、トヨタ、スズキ、三菱、ベストカー編集部 ほか
初出：『ベストカー』2025年8月26日号
ベストカー執筆陣が選ぶ日本車コンパクトカーランキング
このカテゴリーに属するモデルは11車種。採点を集計した結果、1位はフリードクロスターとなったが、このカテゴリーを採点した評論家3名の分析を伺おう。
採点は実用性を重視（渡辺陽一郎）
コンパクトカーには、機能や装備を充実させて、価格を割安に抑えた買い得車が多い。
採点基準は実用重視で、街中や駐車場における使いやすさ、4名乗車時の居住性、荷室の使い勝手、燃費、価格などを中心とした。
その一方で、走行安定性や乗り心地といった基本性能も大切だ。そこで私はフィットを1位に選んだ。全高を立体駐車場が使える高さに抑えて、後席は広く荷室の使い勝手もいい。
ちなみにフリードクロスターが1位という最終順位は、設計の新しさを考えると納得できる。
最終順位の2位はフィットだ。私の採点による2位のノートオーラは、コンパクトカーでは高価格だが、内外装が上質で装備も充実する。
これらを価格に換算すると、ベーシックなノート以上に買い得で、最終順位でも3位に入った。天井の高いシエンタやソリオを含めて、最終順位との合致が多い。
マツダ2を10点とした（島崎七生人）
コンパクトカーはいうまでもなく“ご自宅用”に乗るための実用車。いかに手頃かつ維持費を含めてクルマとしてのコストパフォーマンスが高いか、日常の使い勝手がいいか、運転しやすいか……といったところが無条件の条件として求められる。
その観点で1位のフリードクロスターは実に順当。現行型は開発者にインタビューした際に「先代から乗り換えやすいようにタイヤサイズは変えなかった」と聞き、なんて“愛”があるのだと感銘を覚えたが、ユーザーの身になって作られたクルマであるのがいい。
他方で、集計上は8位だが僕が10点としたのがマツダ2。初出が2014年だからすでに10年以上の長寿ぶりだが、その年月は、いかにユーザーに寄り添ったクルマであるかを証明している。内装の質感の高さもいまだに色褪せていない。
私個人が選ぶなら……（飯田裕子）
コンパクトカーを選ぶ目的はさまざま。一家で複数台のうち実用優先で選ぶ一台もあれば子離れ世代の唯一の相棒として選ぶ方々もいらっしゃると思います。
今回のラインナップはどれも取り回しに優れ、経済性も取り立ててマイナスなモデルはありません。日常の実用を重視すれば30km/Lを超えるモデルばかりのトヨタ勢のなかから選んで間違いなし。ガソリンスタンドに行く面倒（頻度）が明らかに違います。
でもせっかく私個人が選ぶなら……と考えてみたところ、一家で1台、コンパクトカーへダウンサイジングをする場合を考えました。街なかや高速道路で小ぶりなモデルがイキイキと走る姿が印象に残るアクティブ系が上位に。
小ぶりながらパッケージングに優れ、それでいて機能美にワクワクできるデザインの個性も楽しみたい。共感できる方々のコンパクトカー選びの参考になれば幸いです。
コメント
コメントの使い方ライバルが協力なジャンルは、よい車に低価格で乗れる。だから他社はコンパクト以外のジャンルでも、強力なライバル車を用意してほしい。
ハリアーなんて競合が逃げたせいで次モデルは大幅な値上げになるだろうし、スポーツカーだって競合不足でどんどん高くなるだろう。
確かに強い相手だが、同じ土俵で戦って、鎬を削ることでよい車にしつつ、納得価格で提供される市場を維持してほしい。