毎日、テレビやYouTubeなどで目にするクルマのCM。最近はCGを使い、幻想的なシーンを演出するものが多くなった。今でも自動車CMは印象に残るものが多いが、1980年代にはもっと衝撃的なCMがたくさんあったのだ。よくこんなCM作って流したなと言いたくなる衝撃の自動車CMを振り返っていこう。
文:佐々木 亘/画像:VOLVO、トヨタ、いすゞ、ベストカーWeb編集部
【画像ギャラリー】ボルボ 740! レクサス LS! いすゞ ジェミニ! 昭和を代表するクセ強クルマCM三銃士がやってきた! (17枚)画像ギャラリー新車を壊し続けるVOLVO
まずはクルマが走る様子も美しく映る様子も見られない、1985年に流されたボルボのCMを紹介したい。VOLVOの安全性を強く訴求するCMだった。
CMでは4階建ての建物の屋上からクルマが真っ逆さまに落ちてくる様子を映している。ナレーションが「ボルボは乗る人を守るために、毎週2台ずつ新車を壊し続けます」と入り、フロント部分が「ぺしゃんこ」になったボルボが映るだけだ。CMスタート時の音楽もなんとなく不気味である。
建物から落ちてくるほかにも、崖から転がり落ちてくるといったCMもあった。とにかく、崖から落ちても建物の4回から落ちても、頑丈なボルボはキャビンが潰れずに安全だということを強く訴求したCMとなっていて、見ている人に大きな衝撃を与えたことだろう。
インパクトは抜群だが、今流したらSNSなどでいろいろな声が上がりそうなCMでもある。
振動の少なさを証明する名CM
1989年に北米市場へ投入された初代レクサス LS。このクルマのテレビコマーシャルは、日本で放映されていないにも関わらず、かなりの知名度がある。
シャシーダイナモに載せられて、ボンネットが水平になるように角度が付けられたLSがCMの主役。ボンネットの上には、シャンパンタワーが5段組まれ、その状態でエンジンがかけられる。
エンジン始動時の振動でシャンパンタワーが崩れないのはもちろん、そのままシャシーダイナモ上で約140マイル(およそ時速230km)まで加速しても、シャンパンタワーはビクともしない。レクサスというブランドが作るクルマは、これだけ優れたものであるというのが抜群に分かる、名CMだ。
このCMの衝撃は北米市場へ大きく響き、高級車ブランドレクサスの知名度は一気に上昇した。CMの効果という面でも、このCMの価値は非常に高い。
ちなみに、2019年には現行型LS500を使って、初代LSのCMをオマージュしたCMが作られた。レクサス30周年記念で制作されたもので、豊田章男氏が自らシャンパンタワーをLSのボンネット上に積み上げ、エンジンをかけて加速させている。30年の時を超えても、LSの上ではシャンパンタワーは崩れない。
日本で一番インパクトがある自動車CMはコレ
ボルボ・レクサスと海外ものが続いたが、最後は国産モデルのCMを紹介していく。クルマのCMと言えば、いすゞジェミニを紹介しないわけにはいかないだろう。
街の遊撃手というコピーが付けられたジェミニが、フランス・パリの街中を疾走していくCMだ。それもただ走るだけではない。並走あり、ジャンプあり、スピンターンあり、片輪走行ありと、スタント走行盛りだくさんなのである。
ただ、ド派手なスタントなのだがBGMはクラシックナンバー。2台~4台のジェミニが、それこそ社交ダンスを踊っているような作り込みになっている。




















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