ホンダ学園とは、本田宗一郎が1976年に創設したホンダグループ直系の学校法人。同学園はこれまで2万人以上の卒業生を送り出し、ホンダやホンダカーズをはじめ、多くの四輪/二輪関連企業でOBやOGが活躍している。そのホンダ学園が創立50周年を記念して、学生主役の新たなチャレンジを行う。取材会に出席した筆者がチャレンジの内容、そしてホンダ学園の魅力を深掘りする。
文:奥野大志(Team Gori)/写真:奥野大志(Team Gori)
【画像ギャラリー】佐藤琢磨とともに世界ラリー名門コースに挑戦する「ホンダ学園」生徒たちのパワーを見てほしい!(14枚)画像ギャラリー学生有志30人が一から製作した「2台のシビックRS」でモンテに挑戦
ホンダ学園は現在「ホンダテクニカルカレッジ関東」(埼玉県ふじみ野市、以下HTC関東)と「ホンダテクニカルカレッジ」(大阪府大阪狭山市、以下HTC関西)の二校を運営。最も長い歴史を誇るのがHTC関東で、来年、創立50周年の節目を迎える。
それを記念して行われるチャレンジの第一弾が「第28回ラリー・モンテカルロ・ヒストリック」出場。来年(2026年)の2月にヨーロッパで開催されるクラシック版のモンテカルロラリーに、学生有志約30名が自らの手で一からレストアし、ラリー仕様に仕立てた2台のシビックRS(SB1)で出場する。
しかも、1台目(サンセット号)のドライバーはF1で活躍後、2回のインディ500優勝を果たしたレーシングドライバーの佐藤琢磨氏。2台目(マドリード号)のドライバーはHTC関東校長の勝田啓輔氏がつとめ、学生は2台のコ・ドライバーをつとめるほか、宿泊手配やロジスティクスを含む、サービス全般を担当する。
目を見張るホンダ学園学生の高いモチベーション
HTC関東で行われた取材会には、学生が佐藤琢磨氏やホンダ学園関係者とともに登壇。決意表明やフォトセッション、質疑応答を行ったが、学生のモチベーションの高さが印象に残った。
具体的には「なぜ、このプロジェクトに参加を決めたのか?」の問いに対して、学生代表の松野翔太さんは「先輩方がこのラリーにずっと挑戦していて、ボロボロのクルマをきれいに直して走らせることにすごくロマンを感じていて、楽しそうだと思いました」と回答。
もうひとりの代表、飯塚はるなさんは「このプロジェクトの話を聞いた時、言い過ぎかもしれませんが、今後の人生でこういう経験ができるかわからないと思い、参加してリーダーをやりたいと思いました」と回答し、メディア関係者は感心しきり。
さらに、個人の目標についても質問がおよび、松野さんは「何が起こっても対応できるような整備力を身につけて、現地に行ったらなんとしてもクルマを直し、ゴールテープを切ること」と回答。飯塚さんは「クルマをゴールまで届けるために、今できることを尽くすことです。ラリー中に何があるかわからないので、それに対応できる車体を作ることを目標にしています」とこれまた力の入った回答。
クルマづくりにおいて、現時点で最も不安に感じているのは、日本の車検取得が必要で、その情報収集に手間取っていることと言葉の壁とコメントしてくれた。
ホンダ学園によると、今回の参戦費用はホンダからの支援のほか、父母の後援会や300社以上の賛助会企業の寄付で成り立っているとのことだが、渡航費用はなんと学生の自己負担。それでも行きたい、チャレンジしたいという30名の若者たちにはパワーがみなぎっていた。

















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