世界的に「踊り場」を迎えているEVの販売台数。踊り場からまた上り階段へ……と思いきや、メルセデスベンツは踊り場から飛び降りようとしている。驚くことに北米市場でのEV販売を中止し、マルチシリンダーエンジンに回帰するという!!
※本稿は2025年8月のものです
文:角田伸幸/写真:メルセデスベンツ ほか
初出:『ベストカー』2025年9月26日号
掟破りの大改革! 北米市場でEV販売中止!
中国での不振やアメリカの関税で大きな打撃を受けているドイツの自動車産業だが、2025年4~6月に約7割の減益(前年同期比)となったメルセデスベンツが強烈な改革に乗り出した。
その中身は「内燃機関全振り」ともいうべきもの。なかでも驚くのは、北米市場でのEV販売の中止だ。
同市場でメルセデスは、EQBからGクラス、マイバッハまで、あらゆる電動車を揃えていたが、9月にEV購入の税額控除が廃止されるのに伴い、これらの販売を取り止めるという。同社は米アラバマ州にEV生産工場も持っているが、ここで作られるEVは全量輸出に回すということだ。
それだけじゃない。マルチシリンダーエンジンにも回帰する。AMGが積む4気筒PHEVユニットを段階的に廃止し、6気筒あるいは8気筒へと置き換えるという。なんともゴージャスな決断だ。
メルセデスのこの動きから改めてわかることは、内燃機関が予想以上に存続するということ。特にPHEVは有望で、今後10年の主力ユニットとなりそうだ。
日本にとってはこの移行期はチャンス。電動化シフトをうまく進めたい。

















コメント
コメントの使い方