クルマの文化を考える特集の2回目はトヨタ博物館の文化館が収蔵する文化資料を見ていこう。ミニカーやポスター、錦絵にカーマスコットなど、なんと20万点以上のコレクションを誇り、約4000点を展示する。ここにくればクルマが人々の暮らしや社会をいかに豊かにしてきたかがわかる
文:ベストカーWeb編集部/写真:西尾タクト
【画像ギャラリー】楽しく学べる日本とクルマの歴史! 世界的にも珍しい必見モノの逸品も収蔵! (10枚)画像ギャラリー入館すれば引き込まれること間違いなしの貴重な資料の数々
トヨタ博物館は19世紀ガソリン車が誕生して以来の貴重なクルマを多数収蔵していることはよく知られているが、そのクルマに勝るとも劣らないくらい貴重なコレクションを収蔵する。ミニカーやポスター、雑誌やカタログ、カーマスコットにゲームなどなど、その数約20万点以上というからべらぼうな数だ。
文化館には「移動は文化」と題してそのうちの4000点が展示されている。ここでは時空を超え、いろいろな時代にタイムスリップでき、幸せな時間を手に入れることができる。このなんだか幸せな気持ちこそが、「文化」なのだろう。では文化館に足を運んでみよう。
まずは皆さんも大好きなミニカー。日本、アメリカ、ヨーロッパの3地域ごとに時間軸で展示され、スケールはすべて43分の1で統一されている。だいたい800台くらい展示されているが、ないものは「一点物」で作っているというから恐れいる。途中ジオラマ風のものが展示されているので足を止めた。
担当で学芸員の藤井麻希さんは「1769年に起きた世界で最初の自動車事故を再現しています。こういうトピックを入れることで、自動車だけでなく社会がどう変わってきたかをわかりやすく伝えるようにしています。また、お子さんの目線で見られるよう低い位置に展示しております」と狙いを教えてくれた。
こいつがなければ『頭文字D』はなかった!? 世界初のFRも展示!
1898年フランス人技術者が日本に初めてガソリン車「パナール・エ・ルヴァッソール」を持ち込んだ時の光景も再現され、写真よりもリアルに当時を想像することができる。
ちなみに当時の写真を見つけてきたのが鈴木忠道(故人)さんで、コレクションの収集はもちろん、自動車の文化面の研究に没頭された伝説の学芸員だそうだ。
また、学芸・企画1グループ長の谷中耕平さんによれば「それまでの自動車は馬車のような形をしていますが、パナール・エ・ルヴァッソールはエンジン、クラッチ、トランスミッションを縦に置いた世界初のFR車です。ちなみにパナールは1895年に往復1200kmを50時間以上不眠不休で走るパリ~ボルドーレースで一着となり確固たる地位を築いていきます」と教えてくれた。
自動車が誕生した黎明期からレースが技術革新を牽引し、次々と「もっといいクルマ」が誕生していることは印象深い。
他にはないものを展示できることが博物館の強み!
続いてカーマスコットのコーナーへ。カーマスコットは1910年頃から1930年代前半にかけて、ファッションやお守り、自己表現として流行したものだ。
ジャガーのようにボンネットに装着されたものが多く、高級車のものは、マスコット自体が精緻で見ていて飽きない。あえて壊れやすいガラス製なのも、美しさを求めた結果だ。
「舞踏会等のイベントに出向く際は、クルマもおしゃれをするという 文化があり、ライト付きのマスコットに付け替えていました」と藤井さん。なるほど、他人との違いをさりげなくマスコットでアピールしたのかと納得。
約130点もの展示の中でフランスの著名なガラス工芸家ルネ・ラリックが製作したマスコット29種すべてを常設展示しているのはトヨタ博物館だけと言われ、「(トヨタ博物館の)一番の見どころはカーマスコットだ」という人もいるくらい充実したコーナーだ。
続いて個人的にとても面白かったのが、ポスターのコーナー。ガソリン車の普及とともにリトグラフ(石版印刷)を使い、自由闊達な表現が生まれていく。自動車の普及はレースの人気とともに加速していき、タイヤにも注目が集まるようになっていく。皆さんご存じのタイヤメーカー、ミシュランのキャラクターであるビバンダムのポスターが時代を追って見ることができ、キャラクターがマーケティングにとって重要になっていく歴史を学ぶことができる。













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