本来はニッチな輸入車でありながら、日本で高い人気を誇っているのがルノー カングーだろう。2002年3月から正規輸入がスタートし、現在は3代目が販売されている。スライドドアを備え、スクエアな荷室空間を持つ使い勝手の高さや、フランス車が持つオシャレな雰囲気や乗り味が人気の要因となっているワケだが、その成り立ちは商用バンで、現地では今でも働くクルマとして使われている。
文:小鮒康一/画像:ルノー、ベストカーWeb編集部
【画像ギャラリー】樹脂バンパーがなくなったこと自体は賛否両論!? 現行3代目カングーは2025年にマイチェンしたばかり!!(23枚)画像ギャラリー現地の商用車がなぜ日本で人気となった?
カングーの前身となったモデルは2000年ごろまで販売されていた「ルノー エクスプレス」というモデルで、同社のコンパクトカーであったサンクをベースにリア部分を箱型の荷室スペースとした、いわゆるフルゴネットタイプの車種だった。
日本ではあまり馴染みのないフルゴネットタイプだが、過去には3代目アルトをベースとした「アルトハッスル」や、2代目ADをベースとした「AD MAX」などが存在していたことを覚えている人もいることだろう。
商用車だからこそ総合力が高い!?
その後継車種として登場したカングーは、取って付けたような荷室スタイルから一体感のあるデザインへと一新されたほか、ハンドリングや乗り心地も良好なものへ進化し、商用車としてだけでなく使い勝手のよい乗用車としても高い評価を集めたのだ。
そういったバックボーンを考えると、日本でも高い人気を獲得したのは当然とも思えるのだが、少なからず影響していたのが“商用モデルをラインナップしなかった”点ではないだろうか?
あえて働くクルマを働かせなかったのがカギ!
というのもカングーと近い成り立ちを持つ国産車として日産のNV200バネットが存在し、こちらにも乗用登録となるワゴンモデルが存在している。
しかしNV200バネットはバンモデルが街に溢れており、オシャレなMPVモデルではなく働くクルマというイメージが強いという大きな違いがあると言えるだろう。
アメリカで軽トラが流行るようなもの?
そうなると使い勝手だけでなく、オシャレさもクルマ選びの重要なファクターと考えるユーザーにとっては、カングーの方が圧倒的に魅力的に映るということで、あえてカングーを選ぶという人が多くいると考えられるのだ。
考えてみればアメリカで日本の軽トラや軽バンが人気なのも、現地には大きなピックアップトラックやバンタイプのモデルが多く存在するなかで、あえて小さな軽自動車を選ぶというのも、人と同じものはイヤという想いが少なからずあるからであり、カングーが選ばれるのもそういった想いがあるからなのかもしれない。



























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