デリ丸効果で「子どもたちも知っている」真の人気車となった三菱 デリカミニ。驚くことに、登場からわずか2年あまりでモデルチェンジが発表された。「デリ丸お役御免!?」と思ったアナタ、ご安心ください。キープコンセプトでの嬉しい進化だ!!
※本稿は2025年9月のものです
文:ベストカー編集部/写真:三菱、ベストカー編集部 ほか
初出:『ベストカー』2025年10月26日号
中学に入学した子が卒業する前にモデルチェンジ!
2023年5月の初代デビューからわずか2年4カ月。異例の早さでフルモデルチェンジし、デリカミニが2代目に進化した。
ベースとなる三菱 eKスペース/日産 ルークスのモデルチェンジに合わせたタイミングということだが、大ヒット車だけに簡単ではなかったと想像する。
なにしろデザインの評判がいいので大きくは変えられない。もちろん、中身が進化しているのは確実だが、今のご時世、それだけではやはりクルマの商品力は上がらないのだ。
しかし、三菱はこの難題を見事にクリアした。ひと目でデリカミニとわかるデザインを守りながら新しさをアピール。プラットフォーム、エンジン、トランスミッションなどは旧型を踏襲しながら、随所で進化を実感させることにも成功している。
とはいえ、キープコンセプトで似ているのも確か。そこで、デリカミニの旧型と新型の違いを細かく見ていきたいと思う。正常進化ぶりがよくわかるはずだ。
見た目の印象はキープしつつも細かく改良
★エクステリア(フロント)変更点
●ヘッドライトシグネチャーとターンランプ拡大
●センサー機能を向上させたフロントグリル形状
●エンジンフードの厚みを増し、しっかり感向上
●ダイナミックシールド(バンパー左右)形状変更
●スキッドプレートのワイド化&アプローチアングル向上
★エクステリア(サイド)変更点
●Aピラー位置と角度を見直し。旧型より10cm前方に配置しワイド化
●前方のAピラーを細くして斜め前の視界向上。強度は後方のAピラーで確保
●Dピラーをボディ同色化
●トレッキングシューズをモチーフにしたホイールデザイン
★エクステリア(リア)変更点
●リアのロゴ入りガーニッシュをカラー化
●ブロックモチーフのリアコンビランプとして、夜間の視認性向上
●スキッドプレートのワイド化
エクステリアの変化は写真のとおりだ。前、横、後ろの基本デザインを踏襲しながら細かく変化させているのがわかる。
新型に流れている全体のデザインコンセプトは「ギア感」「安全感」「親近感」の3つ。アウトドアイメージと内外装の守られ感の向上、それに、ちょっとやんちゃで親しみやすいキャラクターを目指しているという。
インテリアはデリカミニ専用デザインへと進化!
★インテリア変更点
●インパネのアウトドア感、ギア感を向上
●接近時アンロック/降車時オートロック(軽自動車初)
●スマホなしで動くGoogle搭載インフォテイメントシステム(軽自動車初)
●3Dマルチアラウンドモニター(三菱初)
●ノーズパノラマビュー&フロントアンダーフロアビュー(軽自動車初)
●12.3インチのナビゲーションディスプレイ+7インチのカラー液晶メーター
●リアシートのサイド形状変更(ショルダーサポート性向上)
●リアシートクッション座面延長 ●後席フラットシートアレンジ
●収納スペース向上 ●充電中のスマホを置けるドリンクホルダー
●運転席アッパーボックス追加 ●クラストップのスライドドア開口幅
●ステアリングの距離短縮(届きやすさを向上)
●軽自動車最長の室内長
インテリアは、エクステリア以上に変化している。なんといっても「専用デザイン」なのだ。
旧型はeKスペースとインパネを共用していたが、新型は専用。その結果、ダイヤル式の走行モードセレクター(ノーマル、エコ、パワー、グラベル、スノーの5種類)をはじめ、アウトドア感、ギア感の向上に成功しており、それが大きな魅力になっている。
また、Aピラーを立て気味にして前方に移動したことで前席の広々感と視界を向上させているほか、軽自動車最大の室内長、スライドドア開口部を実現。また、収納スペースのさらなる充実、フラットなシートアレンジなど実用性もアップ。もちろん、走行性能、先進装備もしっかりと進化させている。
要は「デリカミニらしさ」をさらに追求しているということ。もとのデリカの偉大さあってのことだが、一代(それもわずか2年少々)で「デリカミニらしさ」を確立させたのだから凄い。
ギャラリー内の新・旧両モデルの写真で変化をじっくりとご確認いただきたい。

























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