記録的という言葉が何度も使われてきた今夏。長い夏が終わり、これからは寒い季節がやってくる。猛暑のあとには厳冬というのがお決まりのパターン。クルマの冬支度は早めに済ませておいた方が良さそうだ。特に基本となる夏タイヤからスタッドレスタイヤへの交換以外にも、クルマの冬支度は色々必要になってくるぞ。
文:佐々木 亘/画像:AdobeStock(トップ写真=warodom@Adobestock)
【画像ギャラリー】クルマが不動になる前に!! 今一度チェックしよう(3枚)画像ギャラリー10℃で10kPa下がる空気圧を適切に管理しよう
夏タイヤ(ノーマルタイヤ)からスタッドレスタイヤに交換するユーザーも、夏タイヤのままひと冬を越すユーザーも、タイヤの空気圧チェックは冬が来る前に終えておこう。
目安となるのは、外気温が20℃を切ってくる頃。このくらいの時期になってくると、温度差でタイヤの空気圧が下がってしまうのだ。
タイヤの空気圧は、温度が10℃下がると10kPa下がると言われている。今夏は外気温が40℃に迫るところも多くあった。夏に調整されたタイヤの空気圧は、季節が進むだけで落ちていき、燃費の悪化からパンクの原因にまでなってしまうから困りもの。トラブルが起きる前に、しっかりと調整しておきたい。
冷却水の不具合で暖房が効かなくなるってマジ?
エンジンルームの中も、しっかりと冬支度を済ませておきたいところ。エンジンルーム内のピンクや水色の液体が溜まるタンクは目に付きやすいはず。中には、冷却水(クーラント)が入っていて、冷却水が循環することでエンジンのオーバーヒートを防ぎ、錆を防ぐ効果を持っている。
また、水よりも凝固点が低い(スーパLLC50%濃度で凝固点は約-36℃)冷却液は、凍結防止にも役に立っているのだ。冬場に突然エンジンがかからなくなった、なんてことが無いように、冷却水の点検をプロにお願いしておこう。
また表題の暖房と冷却液の関係だが、エンジン内を循環して暖められた冷却液は、車内で暖房を使用するときの熱源にもなっている。すなわち、冷却液が古かったり液量が少なかったりすると、冷却液の循環が十分に行われず、エンジンのオーバーヒートが起きたり、暖房の不調を生み出してしまうのである。
「冬は寒いから、冷却水はあまり使わないよね」なんてことは思わないように。冬でも冷却水は仕事をしている。
冬は原液で! 冬支度のイロハはウォッシャー液の補充
普段ウィンドウウォッシャー液は水道水を使用しているという人は、冬を迎える前に、洗浄効果のあるウォッシャー液に変えることをおススメする。
温かいエンジンルーム内にあるとはいえ、冬になるとウォッシャー液の温度が下がり、凍結してしまうこともしばしばだ。ウォッシャータンク内での凍結が起きると、タンクの破損や配管の損傷を引き起こすほか、必要な時にウィンドウウォッシャーが作動しないという安全運転上よろしくない事態が発生してしまう。
市販のウィンドウウォッシャー液には、希釈の目安が書いてあり、その濃度が高いほど凍結しにくい。冬季のウォッシャー液は、できるだけ原液のまま使用できる商品を買い、薄めずにそのまま使って欲しい。
また融雪剤などの散布が頻繁に行われる冬場は、前を走るクルマが巻き上げた水にいろいろな物質が混ざっており、フロントガラスの汚れや油膜も気になる季節だ。水ではなく、洗浄効果の高いウィンドウウォッシャー液を使用することで、快適な視界確保にもつながっていくだろう。
クルマの中には、様々な液体や気体がある。温度変化にあまり強くないこれらのものを、適切に管理することが、冬のドライビングには必要不可欠。ぜひ、季節に合わせた調整や点検・補充を行い、冬に起こりえるトラブルを未然に防いでいこう。
クルマの冬支度は、安全なウィンタードライブの第一歩になる。






コメント
コメントの使い方タイヤの空気圧が低くて異常な減り方をしたバイクのタイヤをSNSに上げて
オカシイと言う人が結構いる。
知識のない人が増えておっかないな!と思う事が多くなった。
40℃近い気温と20℃近くまで下がった気温では差があって当然です。
チェックしない人はこんな記事読まないんだよね