R35生産終了…「新型GT-R」はどこへ行く!? 「ハイパーフォース」のEVか、それともハイブリッド!!??

R35生産終了…「新型GT-R」はどこへ行く!? 「ハイパーフォース」のEVか、それともハイブリッド!!??

 2025年8月、約18年という長きにわたって生産され続けてきた「GT-R」が、ついに生産終了を迎えた。

 2007年のデビュー以来、圧倒的なパフォーマンスで世界を驚かせ、幾度もの改良を重ねながら進化を続けてきたGT-R。その名が市場から本当に姿を消してしまったことに、なんともいえない寂しさを感じているファンは少なくないだろう。

 しかしながら、日産のイヴァン・エスピノーサCEOは「これがGT-Rとの永遠の別れではありません」とコメントしている。つまり、GT-Rは必ず復活をはたすはずだ。では、そのとき次期GT-Rはどのような姿で戻ってくるのか。未来のGT-R像を予想してみよう。

文:吉川賢一/写真:NISSAN、ベストカー編集部、エムスリープロダクション

【画像ギャラリー】約18年という長きにわたって生産され続けてきたGT-Rの最終モデル「NISSAN GT-R」2025年モデル(14枚)画像ギャラリー

「ガソリンターボ×モーター」が最有力!

 「次期GT-Rの姿」ときいて、真っ先に思い出すのは、2023年のジャパンモビリティショーで公開されたバッテリーEVのコンセプトカー、「ハイパーフォース」だ。次期GT-Rだとはひとことも触れられていなかったが、丸目4灯のテールライトやフロントに据えられているロゴ、そしてサイドウィンドウのかたちから、ハイパーフォースは、だれがどう見てもR35 型GT-Rを強く意識したデザインだった。

 これまで、最高出力570psを誇るツインターボエンジン(VR38DETT)による圧倒的な速さで世界を驚かせてきたGT-Rだが、現代の自動車には例外なく「環境性能」という課題が突きつけられていることを考えると、電動化は避けては通れず、ハイパーフォースのようにバッテリーEVとなるのは順当にも思える。

 しかしながら、バッテリーEV化による大幅な重量増加は、GT-Rにとって致命的な問題。モーターによって怒涛の加速は実現できても、重量増は制動性能やハンドリング性能を確実に損なう。また、GT-Rの魅力を語るうえで欠かせないエンジンが奏でる独特のサウンドも失ってしまうことになる。あの鼓動はGT-Rのアイデンティティであり、単なる加速性能を超えて多くのファンを魅了してきた。これらを完全に捨ててしまうことは、GT-Rというブランドの根幹を手放すに等しい。

 そのため筆者は、本当に次期GT-Rが近い将来に登場するならば、パワーユニットは「ガソリンターボ+モーター」のハイブリッドとなる可能性が高いと考えている。既存の電動4WDシステム「e-4ORCE」で対応可能なのか、あるいはハイパフォーマンスカー向けに強化された新型e-axleが必要になるのかは定かではないが、いずれにせよ、GT-Rの名にふさわしい専用チューニングが施されるだろう。

2025年8月に生産終了となったR35型GT-R。写真のNISMO 2025モデルの価格は、税込3008~3061万円であった
2025年8月に生産終了となったR35型GT-R。写真のNISMO 2025モデルの価格は、税込3008~3061万円であった
2025モデルのインテリア。シートやインテリアは、デビュー初期とは大きく変わっており、内装の質感や操作性も改善されている
2025モデルのインテリア。シートやインテリアは、デビュー初期とは大きく変わっており、内装の質感や操作性も改善されている

新型「スカイラインGT-R」として復活もあり得る!!

 また、次期GT-Rでは、「GT-R」と「スカイライン」の関係性を再定義する可能性もあると筆者は考えている。自動車ファンであれば誰もが知るように、GT-Rはスカイラインの最上級グレードとして設定されたもので、両車は本来ひとつの存在だった。

 R35型では、GT-Rブランドを独立させたことで、純粋なスポーツカーとしての自由な開発が可能になったし、スカイラインも、V35~V37世代で高級スポーツセダンの地位を確立。これは両ブランドにとって大きな成果だった思う。

 しかし、世界的に名声を高めたGT-Rに対し、スカイラインはやや影の薄い存在となってしまったのも事実だ。ここでGT-Rをスカイラインの最上級グレードとして再統合することができれば、スカイラインブランドの価値を高めると同時に、日産全体のブランドイメージを押し上げる効果も期待できる。違和感を覚える人もいるかもしれないが、原点回帰と捉えれば、自然な流れだ。

 スカイラインに関しては、日産が2025年5月に発表した経営再建計画「Re:Nissan」で、リードモデルの開発期間を37か月、後続モデルを30か月に短縮する方針を掲げ、その中で「新型スカイライン」の開発が明示されている。つまり、次期スカイラインの開発はすでに着実に進行しており、GT-Rの生産終了とスカイラインの刷新を機に両車を再び結びつけ、ブランドの伝統と厚みを取り戻すアプローチを日産は仕掛けてくる可能性は十分にあると筆者は思う。

 ラグジュアリーセダンとしての新型スカイラインと、そのピュアスポーツバージョンとしての新型スカイラインGT-R。この両立は容易ではないが、この難題を乗り越えることができれば、新型スカイラインが新たな旗艦モデルとして強烈なインパクトを与えることは間違いない。

次期スカイラインのコンセプトモデルとされるビジョンQeコンセプト。スタイリッシュな4ドアクーペセダンだ(日産グローバルギャラリーにて筆者撮影)
次期スカイラインのコンセプトモデルとされるビジョンQeコンセプト。スタイリッシュな4ドアクーペセダンだ(日産グローバルギャラリーにて筆者撮影)
ベストカーが制作した次期型GT-Rの予想CG。フロントフェイスを刷新した2ドアクーペボディの新型GT-Rとなるか要注目だ
ベストカーが制作した次期型GT-Rの予想CG。フロントフェイスを刷新した2ドアクーペボディの新型GT-Rとなるか要注目だ

次ページは : 新型スカイラインGT-Rの登場は2028年か!??

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