運転免許を持っていてもわからない!? 自転車青切符導入前に学んでおきたい「難解な違反」

運転免許を持っていてもわからない!? 自転車青切符導入前に学んでおきたい「難解な違反」

 2026年4月から自転車の青切符制が導入される。しかし事前に発表された「自転車ルールブック」には、今まで聞いたこともないような違反も多数ある。周囲に危険を及ぼさないためにも、ここでは「難解な違反」について解説する。

※本稿は2025年10月のものです
文:ベストカー編集部/写真:ベストカー編集部 ほか
初出:『ベストカー』2025年11月10日号

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知らないと痛い目に遭う可能性も

2025年9月の時点では、警察は違反の認知を高めるため自転車の横断歩道走行を重点的に指導
2025年9月の時点では、警察は違反の認知を高めるため自転車の横断歩道走行を重点的に指導

 2026年4月1日から自転車の青切符制が導入される。それを踏まえ、2025年9月に警察庁が正式発表した『自転車ルールブック』では、自転車に関する諸々の交通ルールを明記すると同時に、自転車の取り締まりについての基本スタンスも公表。

 青切符制導入後も単に歩道を走っているだけではこれまで同様に通常『指導警告』が行われ、取り締まりの対象となることはない。これは傘さし運転などについても同様で、取り締まりの基本スタンスはあくまでも『指導警告』であると明言。

 この発表は自転車を利用するすべての人を安堵させるものだが、油断は禁物だ。

 自転車を取り締まらないと宣言しているわけではない。スピードを出して歩道を通行して歩行者を立ち止まらせた場合や、警察官の警告に従わずに歩道走行を継続した場合には、取り締まりを受ける場合があるとしている。

 さらに、自転車ルールブックでは、青切符の対象となる違反とその反則金が明記されていたが、その中には、いったいどういう違反になるのかわからないようなもの、聞いたこともないようなものなど、クルマの運転免許を持っている人でさえ難解な違反も多数ある。

 交通ルールにおいては、『知らぬが仏』ではなく、『無知は罪』なのだ。必要な知識がないために、自らが損をしたり、失敗したりするだけでなく、第三者をも不幸にすることがあるという意味だ。

 知らないがためにやってしまいがちな違反なども多くあるため、交通ルールを熟知することが、取り締まりから身を守る防衛策となるのだ。

通行区分違反&通行帯違反

自転車専用通行帯が設置されている道路では、それ以外を走ると違反となる
自転車専用通行帯が設置されている道路では、それ以外を走ると違反となる

 通行区分とは、文字どおり車両が通行する(走ることができる)道路の区分のこと。右折レーン、左折レーン、直進レーンなどはそのひとつで、指定された以外の走行は反則となる。

 自転車は最も左側の車線を走ることが義務付けられている。裏を返せば、複数車線ある場合でも、一番左車線以外を走った場合は違反となる。したがって右折レーンから右折した場合も通行区分違反となり、反則金は6000円だ。非常に危険を伴う右側通行(逆走)も、この通行区分違反となる。

 一方、通行帯違反というのも存在する。最近では矢羽根型道路標示や自転車専用通行帯が増えてきているが、この自動車専用レーンが自転車の通行帯となり設置されている場合にそれ以外の場所を走ると違反になるということだ。違反をした場合は青切符対象で5000円の反則金となる。

交差点安全進行義務違反

免許を持っていない人は交差点を走行する時のルール習得が必須
免許を持っていない人は交差点を走行する時のルール習得が必須

 車両は交差点を通行する場合は、ほかの車両や歩行者に注意を払わなければいけない、という義務がある。これは自転車も同じ。

 自転車は右折レーンの走行が禁止されているので、最も注意すべきは左折時ということになる。

 左折時に横断歩道を渡る歩行者を縫うように走行したり、歩行者の直前を横切るなども違反だ(歩行者妨害違反、法定横断等禁止違反のケースもあり)。

 一方直進時は右折する反対車線のクルマの存在に気を配る必要がある。これは違反よりも自らの安全を確保するための必須事項だ。ドライバーも、たかが自転車と侮ってはいけない。クルマ並みにスピードが出ているケースもあり、自転車直進、クルマ右折の右直事故はかなり多いのだ。

 交差点安全通行義務違反の反則金は6000円だ。

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