不思議な顔だけど安っ! 売れそう!! 日産が中国で逆襲開始策発動! 新型PHEVセダン「N6」と「新型ティアナ」同時発表

不思議な顔だけど安っ! 売れそう!! 日産が中国で逆襲開始策発動! 新型PHEVセダン「N6」と「新型ティアナ」同時発表

 2025年10月16日、中国で開催された東風日産の発表会において、かつて日本でも人気を博した「ティアナ」の新型モデルとともに、新型PHEVセダン「N6」が初公開されました。

 日産の中国市場における新エネルギー車(NEV)といえば、2025年10月30日から11月9日まで開催されたジャパンモビリティショー2025にも出展されたバッテリーEV「N7」もその一台。N7は2025年4月の受注開始からわずか1カ月で1万7千台以上を受注し、その後も月6000台を超えるペースで販売されるなど、好調なスタートを切っていますが、より実用的なパワートレインをもつ「N6」は、N7以上のヒットが期待できるモデル。はたして新型N6は、中国の人々に受け入れられるモデルとなるのか、考えてみましょう。

文:吉川賢一/写真:NISSAN

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L33ティアナよりコンパクトで「新たな高級感」を備えたモデル

 日産「N6」は、日産との合弁会社である東風日産乗用車公司(以下DFN)が開発・製造するPHEVで、同社が2027年夏までに中国市場に投入するとしている9車種の新エネルギー車(NEV)の第2弾となるモデルです。

 ボディサイズは全長4831mm×全幅1885mm×全高1494mm、ホイールベース2815mmと、N7(4930×1895×1487、WB=2915)よりも約100mm短く、かつて日本でも販売されていた3代目ティアナ(L33型、4880×1830×1470、WB=2775)よりもさらに小さいサイズ感です。

 エクステリアは、フロントにVモーションのシグネチャーグリルと一直線のLEDヘッドライト、デイタイムランニングライトを装備。ボディサイドはフラットで伸びやかなウエストラインを持ち、リアにも細身のLEDテールライトを採用しています。この造形は、北京モーターショー2024で登場したコンセプト「エボコンセプト」ほぼそのまま。プレミアム感とスポーティさを両立した新世代セダンらしいデザインです。

 インテリアはまだ公式画像が公開されていませんが、N7同様に大型センター液晶ディスプレイとコンパクトなメーターパネルの2枚構成が採用され、スイッチ類を極力排除したミニマルな構成になると予想されます。ジャパンモビリティショー2025に出展されたN7のインテリアは、プレーンなレイアウトと上質な素材の組み合わせにより、高級車のような雰囲気を漂わせていました。N6に関しても、日本市場に導入されたとしても十分に通用する、「新たな高級感」を備えたモデルに仕上がっていると思われます。

Vモーションのシグネチャーグリルや、一直線のLEDヘッドライト、デイタイムランニングライトを装着した新型N6。N7にも似たデザインだ
Vモーションのシグネチャーグリルや、一直線のLEDヘッドライト、デイタイムランニングライトを装着した新型N6。N7にも似たデザインだ
後席乗員のスペースを重視し、リアにボリュームをもたせたミドルサイズセダン。細身のLEDテールライトはN7と似ている
後席乗員のスペースを重視し、リアにボリュームをもたせたミドルサイズセダン。細身のLEDテールライトはN7と似ている
大型センター液晶ディスプレイとコンパクトなメーターパネルの2枚がレイアウトされたN7のインテリア。ダッシュボード上のスイッチ類は極力排除されており、ステアリングホイールには複数のスイッチが並ぶ
大型センター液晶ディスプレイとコンパクトなメーターパネルの2枚がレイアウトされたN7のインテリア。ダッシュボード上のスイッチ類は極力排除されており、ステアリングホイールには複数のスイッチが並ぶ

1.5Lエンジン+モーターのPHEVで実用性を両立

 パワートレインは、1.5リッター自然吸気エンジン(最高出力75kW)とモーター(155kW/208PS)を組み合わせたプラグインハイブリッドシステムを採用。駆動用バッテリーにはリン酸鉄リチウム(LFP)を用い、容量は21.1kWh。EV走行距離はCLTCモードで最大150kmとされており、日常の通勤・買い物程度なら電気のみで済ますことができるでしょう。もちろんPHEVですので、エンジンを併用することで長距離ドライブにも対応します。

 価格はまだ正式発表されていませんが、バッテリーEVであるN7が11.99〜14.99万元(日本円だと約259万〜324万円)であることから、PHEVの新型N6も同等の約12万元(約259万円)前後になると予想されます。PHEVとしては異例の低価格であり、BYDや吉利汽車などNEVメーカーが低価格戦略を展開している中国市場においても、十分に通用する価格設定だと思われます。

N6と同時に発表された新型ティアナ。東風日産が開発・生産をする「N」シリーズとは異なり、こちらは日産自動車が主導して開発したとみられる(生産は中国国内となる見込み)
N6と同時に発表された新型ティアナ。東風日産が開発・生産をする「N」シリーズとは異なり、こちらは日産自動車が主導して開発したとみられる(生産は中国国内となる見込み)

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