「え? クルマの下から何か漏れてる!」と、なんだかわからない液体を見るとかなり不安になる。そこで今回は漏れている液体の正体と対処法について。何か漏れていることすべてが異常事態なわけではないのですが……。
文:山口卓也/写真:写真AC、Adobe Stock/アイキャッチ画像:twc@Adobe Stock
【画像ギャラリー】「漏れ」は見落とし厳禁!!(7枚)画像ギャラリークルマの「液漏れ」はまず場所と色を確認!
クルマにはエンジンオイルにミッションオイル、冷却水、ガソリン……と、さまざまな液体が使われている。
そのなかには、漏れていても特に問題ないものと大問題なものがあるが、まずは「どこから漏れているか?」と「漏れている液体はどんな色か?」を探ってほしい。
場所と色でチェック! 予想されるヤバい液体の正体
●クルマの一番前、赤や緑色の液体:冷却水
フロントにエンジンが搭載されているクルマで、クルマの一番前部分からの液漏れはラジエターからの冷却水漏れの可能性大。
冷却水はエンジンオイルなど他の液体と区別をつけるために赤や緑の色がつけられており、なんとなく甘い匂いがする。これらの色や匂いであれば冷却水と判断。冷却水には毒性があり、飲み込んでしまうと中毒を起こすほどなので注意したい。
漏れる位置はさまざまで、多くのクルマの前部分に搭載されるラジエター、エンジンへとつながるラジエターホース、ヒーターホース、ウォーターポンプなどではエンジン下部、他のパーツに伝ってから漏れる場合もある。
漏れを見つけたらボンネットを開けて冷却水のタンク残量をチェック。
残量がほとんどない場合はディーラーや修理工場へ連絡。補充しながら走れるようであれば水を補充しつつゆっくり走行してディーラーなどへ駆け込める場合も。その際は水温計をチェックしながら走行し、針やインジケーターが半分より上に上がるようなら無理せず即ロードサービスへ連絡!
放置しておくとエンジンの焼き付きにつながり、多額の修理費用がかかってしまう。
●エンジンの下あたり、茶色や黒っぽい液体:エンジンオイル、ミッションオイル
エンジンの下あたりから、茶色や黒っぽい液体が漏れていたらエンジンオイルやミッションオイルの可能性大。漏れた液体がドロっとした感じやネバつく感じであればほぼ間違いない。
駐車時に黒っぽいシミができるのもこのどちらかの可能性大だが、大量に漏れているのでなければいきなりエンジンが壊れることはない場合が多い。
まずはオイルレベルゲージでエンジンオイル残量をチェックし、少しの補充で済むようならオイルを補充してディーラーや修理工場へ。
エンジンオイルがまったく減っていない場合はミッションオイルの可能性大。いずれのオイルにしてもかなりの量が漏れているようなら必ずエンジントラブルに即発展するので、迷わずロードサービスへ連絡!
放置するとエンジンやミッションの修理が必須となり、非常に多額の修理費用がかかること間違いなし!
●左右のリアタイヤの真ん中あたり、茶色や黒っぽい液体:デファレンシャルギヤオイル
色や触った感触がエンジンオイルやミッションオイルっぽいが、場所が左右のリアタイヤの真ん中あたり(FRや4WD車)の場合はデファレンシャルギヤからギヤオイルが漏れている可能性大。
漏れていたとしても、デファレンシャルギヤはエンジンオイルのように簡単に補充できるものではないのでただちにディーラーや修理工場に連絡!
こちらも放置すると多額の修理費用が……。
●タイヤの裏やエンジンの下あたり、黄色っぽい液体:ブレーキフルード
オイルとは明らかに違う色で、サラッとした透明っぽい黄色の液体であればブレーキフルードの可能性大。
ブレーキフルードが漏れている場合は、ブレーキペダルがいつもより奥に踏み込める状態だったりフワフワした感じの踏み心地になる場合が多い。このまま走行すると大事故につながる非常に危険な状態のため、漏れを確認したらクルマはできるだけ動かさずに即ディーラーや修理工場に連絡!
ちなみに、エンジンオイルやミッションオイルを指に付けて何の液体か確認する人がいるが、皮膚が炎症を起こす場合があるので要注意。
ブレーキフルードはさらに要注意で、皮膚がカサカサになったり、漏れたブレーキフルードが塗装面につくと塗装がブヨブヨになったりする。
ただ、吸湿性が高いので水で洗い流せばすぐに落ちる。手に付いた場合やクルマに付いた場合は水できちんと洗い流せば問題ない。









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