2019年の国内登録車販売台数ナンバー1は、プリウスが2年ぶりに返り咲いた。現行の50系プリウスは2015年12月の登場から5年が経ち、熟成の域へ入っているが、毎年TOP3にはランクインしており、その販売は、いまだ絶好調だ。
しかし、昨今のクルマにおいて、ハイブリッドエンジン車は、もはや珍しくない。それでもなぜ、プリウスばかりが売れるのか。本記事では、プリウスの長所、そして短所にも迫ってみようと思う。
文:吉川賢一、写真:トヨタ
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プリウスの長所とは?
・街乗りから高速走行まで、十分な動力性能。燃費も良く、静粛性も高い。
ガソリンタンク容量は43リットル、カタログ燃費がJC08モードで37.2km/L(Sグレード)、実燃費をイジワルに半分と考慮しても、1度の給油で約700kmは走行可能だ。
燃料もレギュラーガソリンであり、エコノミーである。クルマにそれほど乗らない方であれば、月に一度、6,000円程度(※レギュラーガソリン単価140円で試算)の燃料給油で済むかもしれない。
2019年登録台数2位の日産ノートは、37.2km/L(e-POWER S 2WD)、3位のシエンタは28.8km/L(ハイブリッド)、アクアが38.0km/L、フィットe-HEVが38.6km/L、いずれもJC08モード燃費である。
ボディサイズが1ランク上のプリウスなのに、大差がつかないことを考えれば、プリウスが驚異的であることがおわかりいただけるであろう。
・マイチェンでエクステリアが落ち着いた雰囲気に。
吊り目で昆虫のような50系前期のエクステリアは好き嫌いが別れたが、2016年にこのモデルがバカ売れしていたことを考えると、案外受け入れられていたと考えるのが正しいのかもしれない。
ただ、2018年のマイナーチェンジでフェイスチェンジを行い、プリウスPHVにも似たそのデザインは、より万人受けするようになったと考えらえる。
・「アースコンシャスな人」という良いイメージが手に入る
先進的なイメージがあり、環境性能も高く、そして最も売れている。こうしたステータスが、プリウスを買えば手に入る。
何やら安全装備もたくさんついているし、なんなら向かいの家もプリウスだし、うちもプリウスがいいや、という思考が働くことも考えられる。「ナンバー1のクルマ」を買えば間違いない、といった安心感が得られるのだ。
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