横断歩道の一時停止でいまだ4割が止まらず! JAF最新調査が示す“止まらない車”の実態と対策

ドライバー・歩行者が“今日からできる”安全対策

薄暮時や夜間、雨天時などはドライバー側から、歩行者が見えにくいケースが多くなる。反射材の付いた服や、目立つ色の服などを身に着けることで安全性が高まる(hakase420@AdobeStock)
薄暮時や夜間、雨天時などはドライバー側から、歩行者が見えにくいケースが多くなる。反射材の付いた服や、目立つ色の服などを身に着けることで安全性が高まる(hakase420@AdobeStock)

 では、どうすれば横断歩道の安全性を高められるのか。

 ドライバーにまず求められるのは、「横断歩道では止まる可能性がある」と常に意識し、手前でしっかり減速することだ。歩行者が見当たらなくても、いつでも停止できる速度で接近するのが基本である。

 夜間や雨天時は歩行者がとにかく見えづらい。ヘッドライトの照射範囲だけに頼らず、周囲の暗がりも意識して走行する必要がある。

扱いがグレーゾーンのようになっているが、自転車は軽車両である。自転車から降りて押している状態(歩行者扱い)でなければ、横断歩道であっても自動車やバイクは止まる必要は本来ない(beeboys@AdobeStock)
扱いがグレーゾーンのようになっているが、自転車は軽車両である。自転車から降りて押している状態(歩行者扱い)でなければ、横断歩道であっても自動車やバイクは止まる必要は本来ない(beeboys@AdobeStock)

 歩行者側も、安全のためにドライバーへ“渡る意思”を伝える工夫が必要だ。一歩前に出て姿勢を見せる、軽く手を挙げるなどの合図は、ドライバーにとって非常にわかりやすい。

 もちろん「止まってくれるだろう」と勝手に判断するのは危険で、止まる気配がないクルマがいれば、一度立ち止まる勇気も必要だ。左右確認を怠った急な横断も事故のもとであり、わかりやすい動きを心がけたい。

 JAFでは歩行者に優しい運転を広める「思いやりティドライブ」プロジェクトを推進しており、社会全体で歩行者優先の文化を根づかせることが、事故減少のカギとなる。

 横断歩道で止まらないクルマの問題は、一部のドライバーだけの問題ではなく、社会全体で向き合うべき重大な交通課題である。停止率が過去最高となったとはいえ、まだ4割のクルマが止まらないという事実を、私たちはもっと真剣に受け止めるべきだ。

 次に横断歩道を通るとき、あなたがドライバーであれ歩行者であれ、ほんの少しだけ“周囲への思いやり”を意識してみてほしい。その小さな一歩が、事故のない未来へと確実につながっていくのである。

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