電気自動車が増えると、評論家のみなさんにも電気自動車についての執筆依頼が増えてくる。国沢光宏氏もその中のひとりだが、同じく増えるのが「アンチ電気自動車」と「電気自動車はいつ買ったらいい?」の質問。国沢氏はどう答える!?
※本稿は2025年10月のものです
文:国沢光宏/写真:日産、ホンダ、トヨタ
初出:『ベストカー』2025年11月26日号
電気自動車の「買い時」
リーフのフルモデルチェンジ。軽電気自動車N-ONEe:の登場や、驚くほど進化したbZ4Xのマイナーチェンジなど、ここにきて電気自動車の記事を頻繁に書くようになってきた。
その度に湧いてくるのは電気自動車大嫌いな人たちである。主張を見ると「集合住宅なので充電設備がない」に始まり「高い」「電気も化石燃料使っている」等々。
だったら買わなければいい。実際、電気自動車を買って不自由なく運用できる条件って限られる。そもそも自宅や勤め先に充電インフラないといかんともしがたい。欧米では勤め先の充電インフラが整っている。3kWの普通充電を9時間使ったら27kWh(170kmほど走れる)入りますから。
「高い」というのも個人の印象だ。エンジン車だって「動けばいい」と考えるなら20万円の中古車でまったく問題なし。直近で一番売れてるのは乗り出し価格500万円のノアだ。
もちろん同じ車格の電気自動車で迷っているのなら当然ながら「高い安い」はあるし、補助金など考慮した“実質的な価格”をエンジン車と比べるのもいい。
「発電には化石燃料を使う」は2025年10月時点で言えばそのとおり。
ただ2050年のカーボンニュートラルの前に我が国は「2035年に2013年比で60%の二酸化炭素削減」という国際協約をしている。今から電気自動車を増やしておかないと、電力が化石燃料由来から再生可能エネルギーに切り替わっても対応できない。
ここにきて自宅に太陽光発電パネルを導入する人も増えている。使い切れず余った電力を電力会社に売る場合、悲しいかな二束三文。購入する電力の5分の1でしかない。
電気自動車に貯めておけば、ガソリンの3分の1くらいのエネルギーコストで済む。これまた太陽パネルを導入していない人からすれば関係ないかもしれないが、導入してない人から文句を言われる筋合いないです。
ということで「電気自動車はいつ買ったらいいか?」と質問されたら「条件によりますね」と答えている。
ちなみに電気自動車のほうが得だと思えるケースは増えてきた。東京都で太陽光パネルを導入している人がN-ONE e:を購入するなら、国と東京都を合わせた補助金で137万400円も出る。車両価格は必ず必要な充電ケーブル込み276万5400円。よって139万1400円になる。
ターボ車よりパワフルな動力性能など考えたら圧倒的に安いうえ、ガソリンと電気のエネルギーコスト差だって5万km走って25万円にもなるから大きい。すでに電気自動車を買うしかないと思う。

















コメント
コメントの使い方乗れば分かる。と思ってる。
またこの人は極端に反応するなあ。
EVが嫌いなんじゃなくて今のEVは全く実用できないという点を皆さん指摘しているのに、、、。
現在はアーリーアダプター購入、一巡して
買いたい人は既に買っているでしょう。
補助金は早々に止めるべきです。一戸建ての充電施設の推進・購入促進は分かりますが、いまだに「補助金ありき」で語られる事に疑問があります。
補助金なしで健全な価格競争をさせるべきです。それと少なくとも敵対国家であるBYDなどの中国車は一切補助金を出すべきではありません。
電気自動車普及に石油利権が大きな足かせになっているというのが国沢氏の口癖ですが、それを言ったらEV利権なんて山のようにあります。あと、EVは走行コストが安いと盛んに言っていますが今の内だけです。本来かかる筈の税金が非課税になっていたり多額の補助金や特典があってお得感がありますが、いつまでも続くものではないです。
なぜBEVが過渡期で法整備も始まったばかりで、僅かに待てば大幅に安全対策されたものが選べる事を考慮しないのか、謎です。
熟成と完成の域な内燃やHVと違い、今後も1年待てば大幅に性能アップするでしょうから、ただでさえ待ちが正解なのに、特に今は重大な安全対策で待つべき。
そもそもが趣味性も価格も高いEVを、極一部だけに絞って勧める、という明確な姿勢がないから勘違いされるんです。他人のせいにするなんて