昔の常識とは真逆!! 「ズルっ!」と滑った時の対処法 この時期の日影の濡れた路面に要注意

ハイドロプレーニング現象は「待つしかない」

 これは、一般的なスリップではなく、水の上にタイヤが浮いてしまう状態になる「ハイドロプレーニング現象」でも同じです。ハイドロプレーニング現象に陥ると、タイヤが完全に浮いていることで、ハンドルもブレーキもほとんど効きかなくなりますが、この状態で焦ってブレーキを強く踏んだり、ハンドルを切ったりすると、姿勢を大きく崩してしまうなど非常に危険。

 この状況でドライバーにできることは、「ハンドルをしっかりと握ってグリップの回復を待つ」ことだけ。余計な操作はかえってグリップの回復を遅らせてしまうことにもなります。

タイヤが浮き上がり、ステアリングもブレーキもほとんど効かなくなるハイドロプレーニング現象が発生したら、余計な操作をせず、グリップの回復を待つことが重要(PHOTO:Adobe Stock_Freer)
タイヤが浮き上がり、ステアリングもブレーキもほとんど効かなくなるハイドロプレーニング現象が発生したら、余計な操作をせず、グリップの回復を待つことが重要(PHOTO:Adobe Stock_Freer)

まずは「タイヤの健康管理」から!

 こうした突然のスリップを防ぐためには普段から「タイヤをいい状態で保つ」ことを心がけることが重要です。タイヤは溝が減ると排水性が落ちるため、滑りやすさが格段に増しますし、空気圧が低下していても、タイヤのたわみが大きくなることでグリップ力が落ちるため、スリップしやすくなります。製造から年月が経過してゴムの劣化が進んだタイヤも、スリップしやすくなる大きな原因です。

 どんな高性能な安全装備があっても、タイヤが路面をつかめなければクルマは止まれません。逆に、タイヤがしっかりと機能してくれれば、万が一スリップをした際にも、事故となることを防いだり、被害を最小限にとどめることができます。濡れた路面で焦ることがないよう、空気圧は適正か、残り溝はしっかりあるかなど、日頃からタイヤの状態をチェックするようにしてください。もちろん速度を出しすぎないことも重要です。

タイヤの状態は安全を大きく左右する。濡れ路面の不安を減らすためにも、日頃のタイヤチェックは必ず行いたい(PHOTO:Adobe Stock_ponta1414)
タイヤの状態は安全を大きく左右する。濡れ路面の不安を減らすためにも、日頃のタイヤチェックは必ず行いたい(PHOTO:Adobe Stock_ponta1414)
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