LSを超えた! レクサス最長寿モデルになったISは一体どこまで現行型で行ってしまうのか

LSを超えた! レクサス最長寿モデルになったISは一体どこまで現行型で行ってしまうのか

 2025年9月9日に、レクサスがISの新型モデルを世界初公開した。2026年初頭以降、各地で発売を予定している今作は、ビッグマイナーチェンジとみられる。2013年からスタートしている現行型ISの歴史。既に12年が経過し、丸13年を迎えることもほぼ確実となった。レクサスモデルの中で最も長い期間、フルモデルチェンジをしていないクルマとなったIS。一体どこまで行ってしまうのだろうか。

文:佐々木 亘/画像:トヨタ

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そもそもISってどういうクルマ?

レクサス IS350 version L。コーナーワークでひときわ輝くISへ変化したからこそ、12年もの間フルモデルチェンジ無しに生きてこられたのだろう
レクサス IS350 version L。コーナーワークでひときわ輝くISへ変化したからこそ、12年もの間フルモデルチェンジ無しに生きてこられたのだろう

 ISという車名は「Intelligent Sport」の頭文字をとったものである。現行型は国内レクサスとしては2代目(アルテッザの時代からは3代目)モデルとなり、クルマの特徴は情緒的というよりも車名通りの知的な感じ。短く表現すれば、俊敏で正確で安定。

 コーナーワークでひときわ輝くISへ変化したからこそ、12年もの間フルモデルチェンジ無しに生きてこられたのだろう。

 動的性能の開発は、ISのDNAである走りの愉しさをいかに体現するか、この1点に集約された。しかしながら、愉しさは数値で表すことのできない感性的な領域だ。

 そこを人間の感性に落とし込み、特に旋回性能におけるレスポンス・正確性・安定性などを指標にして、走行テストを実施している。

 ニュルブルクリンクや富士スピードウェイなどのサーキットはもちろん、公道までをしっかりと走り込み、あらゆる速度域で意のままに操れる一体感を追求してきた。

 3代目ISに乗って分かるのは、街中の交差点を1つ曲がる度に「良いクルマだな」と思うこと。先代はどちらかというと限界領域までクルマの性能を引き出して楽しむクルマだったが、現行型は毎日の何気ない運転が楽しいのである。

新型ISはどれほど進化しているのか

マイナーチェンジは2016年、2020年に続いて3回目。このまま現行型が20年戦士にでもなってしまうのだろうか
マイナーチェンジは2016年、2020年に続いて3回目。このまま現行型が20年戦士にでもなってしまうのだろうか

 新型モデルの開発テーマは「熟成」。現行型IS登場時から大切にされてきた、ドライバーと対話できる気持ちの良い走りに磨きがかけられている。

 走りに関する変更点は大きく2カ所。まず、走行フィールに大きく影響する電動パワーステアリングの刷新が行われた。バリアブルギヤを採用し、小回りが必要になる低中速域コーナーや交差点での操舵角が小さく抑えられる。

 そして電動アシストを従来のラック同軸式からラック平行式へ変更することで剛性を高め、リニアな操舵フィーリングを実現した。

 2つ目は足回り。スムーズで速い応答性が得られるリニアソレノイド式の電制ショックアブソーバーを採用。路面入力によるショックを低減して、車両挙動が安定する。クルマとしてはすっきりとしたスムーズな足回りへと進化したということだ。

 マイナーチェンジは2016年、2020年に続いて3回目。このまま現行型が20年戦士にでもなってしまうのだろうか。

前例のない長寿モデルIS

私たちはフルモデルチェンジを期待してしまうが、クルマの進化のしかたはそれだけではないのであろう
私たちはフルモデルチェンジを期待してしまうが、クルマの進化のしかたはそれだけではないのであろう

 毎年1回、各車の年央改良が行われるレクサスは、こぞってモデルライフが長い傾向にある。これまでの最長記録は、40系LSの11年(2006年~2017年)だった。

 LSの場合は2013年にほぼフルモデルチェンジに近いマイナーチェンジ(メジャーチェンジ)を2013年に行ったわけだが、ISに関してはメジャーチェンジというよりも、深度の大きいマイナーチェンジを繰り返している。それだけ30系ISの基礎が十分だったということにもなるだろう。

 マイナーチェンジごとに車両の進化が大きく感じられるISは、これからのレクサスの「改良」の在り方を変えていくものになるかもしれない。10年スパンでフルモデルチェンジを考え、マイナーチェンジを基本として各車の基礎能力を高めて「深化」させていくことが、レクサスの戦略とも思えてくる。

 私たちはフルモデルチェンジを期待してしまうが、クルマの進化のしかたはそれだけではないのであろう。ISの幾多の改良の中に、新しいクルマの進化のカタチを見た。まだまだ後3年ほどは、現行型のままでISが活躍し続けるのではないだろうか。

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