往年の名車を復刻させるリバイバルモデル。BMW ミニやFIAT 500など、大成功収めるモデルも多い。そしてまた1台、現代の技術で名車が蘇った。マッスルカー黄金時代を支えたシボレー・シェベルSSである。
文:古賀貴司(自動車王国) 写真:トランザム・ワールドワイド
【画像ギャラリー】内装も当時感出てるなぁ!! 素直にシェベル70/SSカッコよすぎないかコレ(5枚)画像ギャラリーマッスルカーの現代版解釈
アメリカ・フロリダ州タラハシーに拠点を置く「トランザム・ワールドワイド」が、伝説の1970年シボレー・シェベルSSを現代に蘇らせた。
「シェベル70/SS」と名付けられたこのマシンは、第6世代シボレー・カマロコンバーチブルの骨格を使った復刻版。
カーボンファイバー製のボディパネルで覆い、クローム製バンパー、カスタムグリル、丸型ヘッドライトが70年代のデザインを再現し、かつてのマッスルカーの威厳を取り戻している。
インテリアも70年代へのリスペクトを忘れていない。レトロなゲージクラスター、70年代スタイルのシート、コンソール、ATシフターなどが採用されている。現代の快適性と、あの時代の雰囲気が融合する空間だ。
8種類のヘリテージカラーや10種類のモダンメタリック・パール色から選択でき、カスタムカラーの調合も可能だ。
コンバーチブルをベースとする最大の利点は、ルーフラインの低さを実現できる点にある。
着脱式ハードトップを装着すればクーペスタイルを維持しつつ、スポーツカーデザインの基本である”ワイド&ロー”の迫力ある佇まいを演出できる。そしてベース車両がカマロであることを感じさせない、見事な変貌を遂げている。
小排気量化が定番の現代にあえて大排気量
オマージュとなったベースは、1970年に登場したシェベルLS6で、アメリカンマッスルカーの黄金時代における究極の存在だった。
搭載したエンジンは7.4リッター(454キュービックインチ)V8で、公称450馬力が5,600rpm、500lb-ftのトルクが3,600rpm。
しかし、この数字には裏がある。実際の出力は500馬力以上と推定され、公称値は保険料対策で意図的に低く申告されていた。
当時の関係者は、エアクリーナーに貼られた「450馬力」のステッカーを見て、ニヤリと笑ったという。当時、同年のコルベットよりも高出力だったことは、衝撃的な事実だった。
驚くべきは、現代版70/SSのエンジンラインナップの充実ぶりかもしれない。
ベースモデルには5.7リッター(348キュービックインチ)LT1 V8エンジンで425馬力、スーパーチャージャー仕様なら675馬力または800馬力を発揮する。これだけでも十分に過激だが、さらに上がある。
396ヘリテージモデルは6.6リッター(402キュービックインチ)V8で、スーパーチャージャー仕様が800馬力、ツインターボ仕様が900馬力となる。
さらに尖った20台限定モデルも用意
だが、本当の狂気は頂点にある。20台の限定生産となる454 LS6Xリミテッド・エディションは、7.4リッター(454キュービックインチ)V8エンジンを搭載。
このエンジンには3つのバリエーションがある。スーパーチャージャー仕様で900馬力、ツインターボ仕様で1000馬力、そして最上級仕様はツインターボ&E85燃料仕様で1500馬力という途方もない出力を叩き出す。
これはブガッティ・シロンの1479馬力を上回る数値であり、まさに異次元のパワーだ。ベース価格は約19.5万ドルから。
購入者は細かい仕様を決められるので、価格の振れ幅は大きそうだ。“本物”のシェベル70/SSよりは安価に、現代の技術でハイパワーと信頼性を享受できる。
こういうクルマの楽しみ方も差別化のひとつだろう。
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