インチダウンして履くのがベスト!? スタッドレスタイヤのオススメの選び方

インチダウンして履くのがベスト!? スタッドレスタイヤのオススメの選び方

 これからの季節、雪道や凍結路を走行する際に活躍するのがスタッドレスタイヤ。サイズはどうするか迷う人も多いと思う。夏タイヤ(純正)と同じにするべきなのか、それともインチダウンするべきなのかはたまたインチアップする必要があるのか。ということで今記事でスタッドレスタイヤのサイズに関する疑問を解消するべく、選び方を一緒に考えていきたい。

文:佐々木 亘/写真:ベストカーWeb編集部・Adobe Stock(トップ画像=Rossin@Adobe Stock)

そもそもスタッドレスとはどういうタイヤなのか

雪道を走るのに欠かせないスタッドレスタイヤは価格が高いこともしばしば(SB@Adobe Stock)
雪道を走るのに欠かせないスタッドレスタイヤは価格が高いこともしばしば(SB@Adobe Stock)

 まず皆さんに知ってほしいのが、スタッドレスタイヤにするとなぜ雪道や凍結路で滑りにくくなるのか。夏タイヤのままではなぜ走行できなくなるのかを考えていただきたい。

 夏タイヤのままでは滑ってしまう理由は2つ。1つはタイヤ自体のゴムが低温下で硬化してしまうためだ。硬くなってしまったタイヤは路面との「密着性」に欠き、地面との接地面積が減少するため滑りやすくなってしまう。キーワードは「密着性」だ。

 もう1つの滑る原因はタイヤと凍結路面の間にできる水の膜にある。誰もが冷蔵庫から出したばかりの氷が指に張り付くという経験をしたことがあると思うが、これは氷が乾いているから滑らない状態なのだ。

 この氷が解けて表面が濡れてくると途端に氷は指をすり抜ける。タイヤと凍結路の関係性も同じで、凍結路面とタイヤの間に水膜ができる事こそ、夏タイヤが凍結路面で滑る最も大きな要因である。

 スタッドレスタイヤの表面には夏タイヤよりもはるかに細かく深い溝が作られている。この溝が雪を掴み、タイヤと氷の間に作られる水の膜を吸い上げて取り除いている。そして低温下でも硬くなりにくいゴムが、路面にしっかり密着するのだ。

 つまり、雪道や凍結路でよりスタッドレスタイヤの効果を発揮させるためには、路面をタイヤがひっかきやすくすることが必要となる。そのためには、接地面積を出しやすいようにある程度タイヤをたわませる必要があるのだ。

インチダウンで雪上・氷上性能は上がる?

インチダウンという選択が功を制す!?(tong2530@Adobe Stock)
インチダウンという選択が功を制す!?(tong2530@Adobe Stock)

 タイヤはインチダウンすることによって扁平率が上がる。するとタイヤの厚みが増えるため、タイヤのたわみが大きくなり密着性が増すのだ。このため、スタッドレスタイヤやインチダウンすることによって、タイヤ本来の性能を発揮しやすくなる。

 では、どこまでインチダウンすればいいのかというと、純正サイズを目安に考えると良い。例えばノアの場合、エアログレードのSZはタイヤの標準サイズが205/55R17だが、標準グレードだと205/60R16を装着する。

 現状がエアログレードの17インチなら、16インチまで落としてスタッドレスタイヤへ変えるとスムーズだ。

 最近のクルマはインチダウンしてもタイヤ幅が変わらないようにサイズ指定されているので、ドライ路面でも安心。インチダウンしたタイヤサイズが分からないという場合は、取り扱い説明書を見るかタイヤの専門ショップへ相談してほしい。

インチダウンは機能性を維持しながらお財布にも優しい!!

インチが下がれば価格も下がる!!(CrioStudio@Adobe Stock)
インチが下がれば価格も下がる!!(CrioStudio@Adobe Stock)

 前述のトヨタ・ノアの場合、スタッドレスタイヤのサイズは205/55R17より205/60R16の方が機能性を損なわずに良いと記述したが、インチダウンすることでもうひとつメリットが生じる。それが購入費用だ。インチが小さくなることで購入費用が安くなる。お財布に優しいのも、交換サイクルの早いスタッドレスでは選択の大きなポイントになるだろう。

 おおよその費用だが、17インチのスタッドレスタイヤのみ4本の価格と、16インチのスタッドレスタイヤと汎用ホイールセットの価格がほぼ同等くらいなのだ。

 タイヤ交換の工賃は剥き替えよりも、脱着の方が安いから、保管場所さえどうにかなるならインチダウンしたタイヤホイールセットを買うほうがトータルコストも安くなる。

 これからが冬本番。良いスタッドレス選びをして、温かい財布を抱えながら、安心安全のウィンタードライブを楽しもう。

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