【ギモン】信号も標識もない交差点でクルマが鉢合わせ!!　どっちが優先なのよ？

　信号も「止まれ」の標識もない交差点……そんな場所でクルマどうしが出会ったら、どちらが優先なのだろうか？　意外と迷うこのテーマを、交通ルールに基づいてスッキリ整理した。知らなかったでは済まされない“左方優先”のキホンを改めて押さえておきたい。

文：ベストカーWeb編集部／写真：Adobestock（トビラ写真=ほじん@Adobestock）

信号も標識もない交差点は「道幅」と「左方優先」がポイントである

　ふだん街中を走っていると、信号や「止まれ」で優先関係が明確な交差点がほとんどである。しかし、世の中には何のヒントもない交差点がポツンと存在しており、ここがじつは事故の温床になりやすい。

　まず頼りになるのが「道幅」である。道路交通法36条2項では、幅員が明らかに広いほうの道路に優先権があるとされている。優先道路の標識やセンターラインが貫通している場合も同様で、その道路を走るクルマが優先だ。

　問題は、見た目に道幅がほぼ同じケースである。ここで働くのが、交通教本でもおなじみの「左方優先」。自分から見て左側から来るクルマの進行を妨げてはならない、というルールだ。

「こっちが優先」の思い込みは禁物　まずは減速と心の余裕を

　左方優先とはいえ、「優先だから突っ切る！」という走り方は大きな誤解である。過去には悲しい事故も起きていて、優先権をめぐる思い込みは取り返しのつかない結果を招く。

　また人間は同じ角度・速さで向かってくる物体を見失ったり、Aピラーの影に隠れて認識できなかったりすることがある。これは交通ルールとは別に「コリジョン（衝突）コース現象」として事故の原因となる。

　標識がない交差点に差しかかったら、まず徐行し、いつでも止まれる余裕を持つことが大切だ。左から来るクルマに譲る――その基本を押さえつつ、互いにアイコンタクトできるくらいの速度で交差点へ進入したい。

　信号も標識もない静かな交差点こそ、ドライバーの“地味だけど大事な判断力”が試される場所である。