新型タントは念願のハイブリッド!? 新型コペンの姿も見えたゾ

　盛況のうちに終了した2025年のジャパンモビリティショー。そこで、メーカーごとにJMS2025を総括し、専門家の視点から手加減なしで採点。ここでは軽自動車＆小型車のエキスパート、ダイハツのブースを振り返って総括する。

※本稿は2025年11月のものです
文：山本シンヤ／写真：ダイハツ、ベストカー編集部
初出：『ベストカー』2025年12月26日号

ダイハツのジャパンモビリティショー2025総評

　ダイハツメイがテーマのダイハツ。小ぶりでちょうどいいサイズに、ワクワクさせるスパイスを注ぎ込むことで、主役級のコンセプトモデルがズラリと並んだ。

　開場前から話題を集めたこともあり、ブースに並んだどのクルマも強い存在感を放っていた。

●おもな出展車
・K-OPEN CONCEPT
・KAYOIBAKO-K
・K-OPENランニングプロト
・ミゼットX
・K-VISION
・e-ATRAI STICKER FACTORY

ここが良かった！

　「私にダイハツメイ（大発明）」、「小さいからこそできること」がテーマのダイハツ。認証不正以降、ブランド再建にあたり、得意なコンパクトモデルに集中する決意でもある。

　コンセプトカーは多種多彩にラインナップ。次期コペンの提案となる「K-OPEN」、ダイハツの原点をオマージュした新時代のマイクロモビリティ「ミゼットX」、次世代ハイトワゴンの提案「K-VISION」、そして次世代軽バンの提案「KAYOIBAKO-K」だ。

　ミゼットX以外は近日発売……といったモデルとなるが、どのモデルもとても魅力的だった。

　K-OPENは前回JMSからのフィードバックで軽規格に収まるデザイン・パッケージに変更。さらに開発中のランニングプロトを展示するなど市販化を匂わす演出もよかった。

　K-OPENやミゼットXに注目が集まりがちだが、実は隠れた注目はK-VISIONの横に展示されていたパワーユニットで軽自動車初の「フルハイブリッド」。

　ロッキーに採用のシリーズ式を軽自動車用に最適化したモノだが、軽BEVの提案が多いなかの現実解として期待大だ。

ここはちょっと残念……

　ブースはトヨタグループ館に独立したスペースが用意されていたが、トヨタに横並びの印象。もう少しダイハツらしい“おもろい”演出でもよかったような気がする。

　さらにプレゼンはトヨタ佐藤恒治社長が行なった。プレゼン自体はとてもよかったが、個人的にはダイハツのトップの口からしっかりとメッセージを発信してほしかったなと感じた。

100点満点で採点すると……80点

　プロダクトにはダイハツの想い、そして今後に向けた決意がシッカリと表れていたと思うが、ブースに関しては少々トヨタに引っ張られてしまった感が強かったか？　もう少しダイハツらしさを見せてほしかった気がする。そのあたりは東京オートサロンに期待だ。

今回のベストカーはコレ！

　どれも魅力的な提案だったが、今回のベストは「K-VISION」。軽自動車を次のステージに引き上げる提案だというが、ムーヴ以上タント未満のパッケージとシンプルだけど個性的なデザインはすぐにでも市販化してほしいくらい。軽初のフルハイブリッドの走りも気になる。