2025年終盤、日本カー・オブ・ザ・イヤーの季節がやってきました。2020年から選考委員を務めているテリー伊藤氏。もちろん10ベストカー試乗会にも参加。テリーさんの試乗の感想は? そしてテリーさんが選ぶナンバーワンはどれだ!?
※本稿は2025年12月のものです
文:テリー伊藤/写真:西尾タクト
初出:『ベストカー』2026年1月10日号
「選考委員」テリー伊藤氏5年目の日本COTY
2020年から日本カー・オブ・ザ・イヤー(以下COTY)の選考委員を務めさせてもらっている。
一介のクルマ好きだった私が、栄誉あるCOTYに携わることができるなんて、ありがたいったらありゃしない。たったひとりの意見ではあるが、毎年、イヤーカーにふさわしいクルマは何か? を全力で考えさせてもらっている。
その参考になるのが、例年秋に行われているCOTYの「10ベストカー試乗会」だ。イヤーカーの最終候補に残った10台に一気に乗れる貴重な機会である。今回も参加してきたので、その報告といこう。
この連載やほかの仕事で数多くの新型車に乗ってはいるが、すべてをカバーするのは無理。今まで乗れなかったクルマに乗ったり、開発者のこだわりを聞いたりできるのが、この「10ベストカー試乗会」なのだ。
まだ乗っていなかったクルマで、最もインパクトあったのがスズキのeビターラだ。インドで生産するスズキ初のEV。
EVといえば優等生が多いなかで、いい意味で粗削りなところがあって力強い。ヘンにこなれておらず、開発陣の熱意がそのままクルマの勢いになっている感じがいい。この点では、完全主義で優等生な日産の新型リーフよりも魅力を感じた。
当連載の読者の皆さんはご存知のことと思うが、私は、クルマの性能や完成度の高さもさることながら、クルマのインパクトやユニークな特長、個性を重視している。ファンタジックでワクワクするクルマが好きで、そういうクルマを高く評価したいのだ。イヤーカー選びも、毎回そういう視点で続けている。
今や死語に近い存在だったのに……
さて、今回のイヤーカー選びである。今回からCOTYの投票方法が変わり、10ベストに残ったクルマを1位から10位まで順位付けすることになった。
その順位に1位25点、2位18点、3位15点から10位1点までの点数が付けられ、最高点を獲得したクルマがイヤーカーとなる。1位から10位までの合計点が101点になることから「101方式」と名づけられている。
前回までは10ベストカーから3車を選び、持ち点を配分していく方式だったからずいぶん変わったが、自分のなかのイヤーカー候補を上から順に並べるのは一緒。私の1〜10位を発表しよう。
上から順にいく。
1位プレリュード、2位ヒョンデ インスター、3位クラウンエステート、4位eビターラ、5位リーフ、6位ID.Buzz、7位プジョー3008、8位フォレスター、9位BMW2シリーズグランクーペ、10位ムーヴとした。
1位のプレリュードは、今や死語に近い存在になった「スペシャルティクーペ」というジャンルに挑戦した姿勢が素晴らしい。
価格は600万円以上で、売れるか売れないかの可能性は半々であることをわかったうえで、市場に出したはず。ひと昔前の「かっこいい」は今でも変わらないことを証明したかったのだろう。その心意気を買っての1位だ。もちろん、2Lハイブリッドの走りも素晴らしかった。
2位のインスターは、日本のコンパクトカーよりも小さい全長3830mm、全幅1610mmのサイズでデザイン、居住性、走り、航続距離を含めた実用性、そして楽しさなどすべてを高レベルに仕上げたところが素晴らしい。このクルマを見本にして、日本ももっと小さなサイズのクルマの開発に力を入れてほしい。
3位のクラウンエステートは、改革に成功した現行クラウンシリーズ全体に対する評価だ。毎年新型車を追加し、話題を途切らせない戦略もいい。
この号が出る時には、すでに今回のイヤーカーが決定している。私の順位付けと最終結果が近いのか離れているのかわからないが、私なりに精一杯考えさせてもらったつもりだ。皆さんの意見はどうだっただろうか。イヤーカー選びはとても難しく、そして楽しい!
●テリー伊藤のベスト10はこうなった!
1位(25点):ホンダ プレリュード
2位(18点):ヒョンデ インスター
3位(15点):トヨタ クラウンエステート
4位(12点):スズキ eビターラ
5位(10点):日産 リーフ
6位(8点):フォルクスワーゲン ID.Buzz
7位(6点):プジョー 3008
8位(4点):スバル フォレスター
9位(2点):BMW 2シリーズグランクーペ
10位(1点):ダイハツ ムーヴ


















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