国土交通省と気象庁は1月21日~25日にかけて、北日本から西日本の日本海側を中心に長期間にわたる大雪が降ると予想。22日には東京都・埼玉県の一部、24日には東京都や埼玉県に積雪が予想されている。そこで、大雪でクルマが立ち往生してしまったら時にどうすればいいのか、解説していきたい。
文:ベストカーWeb編集部/ベストカーWeb編集部、Adobe Stock、トビラ写真:国土交通省
大雪で立ち往生したら気をつけるべき点
大雪で立ち往生した時、まず気を付けたいのは一酸化炭素中毒だ。クルマのアイドリングで暖房を使い続けると、排気ガスに含まれる一酸化炭素が車室内へ逆流する危険がある。
雪でマフラーや排気管出口が塞がれると、排ガスが床下や隙間を伝って車内に侵入しやすくなるからだ。無色無臭の一酸化炭素は感知しにくく、気付いたときには重篤な症状に陥ることもあるため、排気管まわりと周辺の除雪を怠らないことが重要である。
一酸化炭素を吸い込むと血中のヘモグロビンと結合することで血液による酸素運搬を阻害。身体に重篤な症状を引き起こし、命の危険にも直結する。
豪雪時、降り積もる雪でマフラーの出口が塞がれると、行き場を失った排気ガスが車体後方の低い位置に設置された車室内用換気口(ドラフター)から逆流して侵入するのだ。
JAFのテストではアイドリング状態で5分経過すると車室内の一酸化炭素濃度は200ppmに達し、20分経たずに800ppmを超えることが分かった。
アイドリング時の空気循環設定も見直したいポイントだ。内気循環モードは厳禁で、外気導入モードにすることで車室内の気圧を外気と近い状態にし、排気ガスの侵入を抑制できる。
排気管だけでなく、ワイパー下の外気導入口まで雪で埋まっているとリスクが高まるため、定期的な除雪と換気が必要である。窓を少し開けて新鮮な空気を取り入れ、CO濃度を下げることも有効だが、寒さとの兼ね合いには注意したい。
またガソリン車に限らず、ガソリン残量には常に注意しておくべきだ。雪道は燃料の消費が想像以上に早く、給油できる機会があればこまめに満タンに近い状態にしておくのが賢明である。燃料切れの状態で暖房を使い続けると、低体温症リスクも高まるため、燃料管理は立ち往生対策として基本中の基本だ。
■大雪で立ち往生してしまったら気を付けるべき点
●一酸化中毒に気を付ける
●マフラーの出口付近の除雪を定期的に行う
●窓を開けて換気を定期的に行う
●外気導入モードにすることで車室内の気圧を外気と近い状態にし、排気ガスの侵入を抑制
●定期的にドア周辺を除雪し、ドアが開くことを確認する
●クルマ全体が雪で埋もれてしまった場合は排気ガスが入らないようにエンジンを切る
●ガソリン残量に注意する
●しばらく経っても改善しない場合、JAFや道路緊急ダイヤルに連絡する
JAFロードサービス救援コール=0570-00-8139またはシャープ8319
道路緊急ダイヤル=♯9910
大雪で立ち往生した時に備えておきたいもの

立ち往生に備えるための装備は、命を守るための必需品だ。まずは防寒対策として寝袋や毛布+使い捨てカイロを用意しておきたい。
JAFのユーザーテストによれば、毛布と使い捨てカイロ、または冬山用の寝袋があれば、外気温が-12℃近くでも一晩(約8時間)車内で耐えることができるという検証結果が出ている。対策なしでは約2時間45分で限界に達するケースもあり、防寒グッズの有無で生存時間は大きく変わる。
単に寒さをしのぐだけでなく、除雪用スコップや防寒手袋、懐中電灯、非常食、飲み物、携帯トイレ、モバイルバッテリーなども不可欠な装備だ。ポータブル電源(500Wh以上推奨)と電気毛布を積んでおけば、エンジンを切っても暖を取る手段になる。また、緊急用の脱出用プレートやフロアマットは、雪上でのスタック脱出にも役立つ。
トランクにはこれらに加えて、ガソリン車ならガソリン満タンの維持、EVでもバッテリー残量を高めにしておくことが重要だ。備えがあるだけで、救助を待つ時間の安全性と快適性は段違いに高まる。
■立ち往生前の備え(必須アイテム)
・雪対策用品:タイヤチェーン(装着練習も)、スコップ、長靴、軍手、砂
・脱出を試みる場合:タイヤの下に毛布やスノーヘルパー(脱出ボード)を敷くのが有効
・防寒対策:毛布、カイロ、防寒着、寝袋
・食料・飲料:数食分、飲み物。
・その他:簡易トイレ、モバイルバッテリー、充電アダプター、懐中電灯
・情報収集:ラジオ、スマホアプリ(ドラぷらなど)、カーナビ
EVが立ち往生したらバッテリーはどれくらいもつ?
EVはガソリン車と異なり、暖房に電力を使うため立ち往生時のバッテリー消費が大きな課題となる。EVは暖房を使うと電力を消費し、その分航続可能距離が目減りする。
JAFのテスト結果では、外気温マイナス9℃の19時に実験開始。ヒーターを使用すると10時間で残量10%。立往生解消時の移動を考えるとある程度の電池残量が必要だ。
暖房を常時最大出力で使い続けると、バッテリー残量の低下は早い。逆にエアコンを控えめにしたり、シートヒーターだけを使うなどの工夫をすれば、より長く電力を持たせることができる。
また、毛布や電気毛布といった電源に依存しない防寒グッズを併用することで、バッテリー消費を抑えつつ体温を維持できる。
ただし、EVの場合、電欠になってしまうと簡単にエネルギー補給できないという難点もある。EVは外部から電気を供給する必要があり、現状では救援用のEV充電サポートも十分とは言えない。
したがって、冬季の運転前には十分な充電と暖房使用を想定した計画、毛布などの節電対策を用意しておくことが重要だろう。
立ち往生は誰にでも起こりうる事態だが、正しい知識と準備があれば、危険を大きく軽減できる。大雪予報が出ている時には、無理に外出しないほうがいいだろう。
【画像ギャラリー】大雪で立ち往生したら、生き残るために何をすればいい?(6枚)画像ギャラリー











コメント
コメントの使い方