“どっちつかず”が仇になった?
●ホンダ CR-Z
燃費性能を重視したハイブリッドシステムと、純粋に運転を楽しむスポーツカーの相性はあまり良くないといわれている。
もちろんハイブリッドを採用したスポーツカーも存在するが、それらはハイブリッドシステムを省燃費用ではなく走りの質を高めるために使用している。
ホンダが2010年にリリースしたCR-Zは、その名称から想像できるように、かつて一世を風靡したコンパクトスポーツカー・CR-Xのイメージを継承したモデルだが、純ガソリンエンジン車だったCR-Xに対し、CR-Zは新世代のハイブリッドシステムを採用していた。
CR-Zの特徴は、燃費重視のハイブリッド車でありながら運転を楽しめるよう6速タイプのマニュアルトランスミッション仕様が用意されていたこと。
1.5リッターエンジンに電動モーターを組み合わせたハイブリッドシステムの最高出力は後期型で136psをマークしたが、バッテリーを積む1150kg(マニュアルモデル)の車体にこの馬力ではややもの足りないという意見もあった。
結果的にCR-Zは見た目のわりにスピードが出ないといった評価を得てしまい、それゆえに販売も伸び悩んだ。
ユーザーが抱いていたのは名車CR-Xの復活というイメージであり、残念ながらCR-Zは文字どおりの力不足だった。
ハイブリッド車としての燃費性能もライバルに比べて突出したものはなく、それがCR-Zの“中途半端”なイメージを加速させてしまった。
CR-Zもまた、2017年に後継車を残すことなくその歴史を終えている。
【画像ギャラリー】MR-S、CR-Z…期待は大きかったのに…(15枚)画像ギャラリー残念な結末を迎えたスポーツカー
●トヨタ MR-S
エンジンを運転席と後輪の間に搭載するミッドシップレイアウトは、運動性能を最重要視するレースカーでは定番となっている。
しかし、公道用モデルにおいては乗車スペースや荷室が圧迫されてしまい、実用面では難しい点も多く、一部のスポーツカーのみがこのレイアウトを採用している。
トヨタが1999年に発売した2シーターオープンスポーツのMR-Sも、そうしたミッドシップカーの1台だった。
一般的に特殊レイアウトのミッドシップカーは高価格になりがちだが、MR-Sは他車のコンポーネンツを効率良く利用することによってコストダウンを実現し、リーズナブルな価格で市場に提供した。
だからといって手抜きモデルではなく、ボディサイズのわりに長めのホイールベースや、巧みなサスペンション設計などでそのハンドリング性能には高い評価を得た。
すでにスポーツカー人気が低下しつつあった時代において秀作と呼べるミッドシップスポーツを開発・販売したトヨタの気概と底力にも注目が集まった。
しかし販売は思うほど伸びず、MR-Sも2007年には生産を終了してしまった。
今回紹介したいずれのクルマも、芸能界でいう一発屋ほど派手に輝いた時期はなかったが、早期退場を惜しむ声も多い精鋭たちだった。
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