ひとつの楽曲が大ヒットしたものの、その後が続かなったアーティストを「一発屋」と呼ぶことがあるが、実はクルマの世界にも一発屋が存在しているのをご存じだろうか? 今回は自動車界の一発屋たちを振り返ってみよう。
文:長谷川 敦/写真:トヨタ、日産、ホンダ、CarsWp.com
【画像ギャラリー】MR-S、CR-Z…期待は大きかったのに…(15枚)画像ギャラリー5ナンバーサイズの一発屋
●トヨタ プログレ
大衆向けのモデルから高級車まで、多彩なラインナップを展開するトヨタだが、やはりフラッグシップとなるのは高級なモデル。
その高級モデルの装備や品質を5ナンバーサイズのボディに集約したのがトヨタのプログレだ。
1998年に登場したプログレのキャッチコピーは「小さな高級車」で、そのフレーズどおり、高級車のセルシオやクラウンレベルのクオリティを全幅1700mm、全長4500mmの車体に盛り込んでいた。
5ナンバー枠に収まるサイズのボディながら室内空間は十分に確保され、シートは本革、そしていたるところに高級素材の本木目パネルを使用して上質感を高めていた。
さらにこの当時では高級車に限られていたレーダークルーズコントロールや、ブラインドコーナーモニターなども装備するなど、その内容はクラウンを超えるとまでいわれていた。
エンジンは2.5、または3.0リッターの直列6気筒型が搭載されていたため、サイズではなく排気量の理由から3ナンバー登録のモデルになった。
外装にもコストのかかる5層塗装を用いて高級感を強調していたが、残念ながら「高級車=大型」のイメージを覆すことはできず、販売成績はふるわなかった。
結局プログレは2007年に一代限りのモデルで終わり、後継機種は登場しなかった。
「小さな高級車」のコンセプトが受け入れられずに不人気だったとはいえ、クルマとしての出来は良く、現在でも評価は高い。
●日産 ティーダ
2004年に日産から発売されたコンパクトカーのティーダは、それまでのサニーに代わるポジションのクルマだったが、実際にはサニーの後継車ではなく完全に新規開発されている。
当時存在していた日産製マーチやキューブとの差別化を図るため、ティーダのターゲット層はやや高めに設定され、内容や装備はそれに見合ったものになった。
プラットフォームはマーチと共通だが、ホイールベースを延長して室内空間を広げている。
発売当初のエンジンは1.5リッター直4型のみだったものの、後に1.8リッターモデルも追加された。
ボディデザインは奇をてらわない手堅いもので、内装はほかのコンパクトカーに比べて豪華に仕上げられていたのが特徴。
ティーダの販売価格は142万8000円~とリーズナブルであり、内容を考えるとお買い得といえた。
実用性にも優れたティーダは販売成績も好調だったが、2005年にデビューした同じ日産のノートと顧客層が被る部分もあり、メーカーは2012年にティーダを廃止してノートに一本化する決断を下した。
内容も良く売れたのに一代限りで終わったティーダは、一発屋と呼ぶにふさわしい存在といえる。

















コメント
コメントの使い方