相続財産として思い浮かぶのは、持ち家などの不動産や現金・有価証券などの金融商品。もちろんこれだけではなく、身近にある「クルマ」も立派な相続財産だ。終活リストを作っている人もいない人も、クルマの終活を考えてみませんか。
文:佐々木 亘/画像:ベストカーWeb編集部、日産、Adobe Stockほか
【画像ギャラリー】愛した名車を「最高の形」で次へ繋ぐために もしハコスカにZ、思い出の1台を家族に託なら……“クルマの終活”ガイド!(8枚)画像ギャラリー相続財産としてのクルマ
そもそも相続とは、人が亡くなった際にその財産を特定の人が引き継ぐことを指す。遺産の範囲は広く、現金・預貯金・株式などの金融資産、土地・建物などの不動産、そしてクルマや貴金属といった動産がプラスの財産として含まれる。
借金や未払金といったマイナスの財産も相続の対象となる点は忘れてはならない。これらすべてを、法定相続人が定められた割合で引き継ぐのが原則だ(公正証書遺言がある場合は遺言に従う)。
登録車と軽自動車で扱いが大きく異なる
クルマの相続で最初に押さえておきたいのが、登録車(白・緑ナンバー)と届出車(軽自動車など)では手続きの複雑さがまったく異なるという点だ。
登録車は不動産に近い属性を持ち、正式な相続手続きが必要になる。一方、軽自動車などの届出車は遺産相続の対象にならないケースも多く、手続きも比較的シンプルだ。同じクルマでも種別によってこれだけ扱いが違うことは、ぜひ頭に入れておいてほしい。
まずオーナーが亡くなったら、車検証を取り出して「所有者」欄を確認しよう。故人の名前があれば相続手続きが必要だ。意外と多いのが、故人がメインで乗っていたにもかかわらず、実際の名義は配偶者だったというケース。この場合は相続手続き不要になるため、早めの確認が大切になる。
【画像ギャラリー】愛した名車を「最高の形」で次へ繋ぐために もしハコスカにZ、思い出の1台を家族に託なら……“クルマの終活”ガイド!(8枚)画像ギャラリー登録車の名義変更に必要な書類
クルマは分割して相続することができないため、相続人の中から誰か一人が引き継ぐことを決める必要がある。登録車の場合、相続人が決まったら遺産分割協議書を作成し、名義変更手続きへと進む(査定額100万円以下の場合は遺産分割協議成立申立書でも可)。
必要書類は以下のとおりだ。
・車検証原本
・所有者の死亡と相続人全員が確認できる戸籍(除籍)謄本
・相続人全員が実印を押した遺産分割協議書
・新所有者の印鑑証明書(発行から3か月以内)
・新所有者の実印(本人が手続きしない場合は実印を押した委任状)
・新所有者が取得した車庫証明(発行から1か月以内)
遺産分割協議書を作成しない方法もあるが、その場合は相続人全員の印鑑証明書・委任状・譲渡証明書をすべて揃える必要があり、実際の手続きとしては非常に困難だ。一般的には遺産分割協議書を使って進めるほうが現実的といえる。
軽自動車の場合は手続きがやや簡単で、故人の戸籍謄本と死亡事実を確認できる除籍謄本に加え、新所有者の委任状・車庫証明・車検証原本があれば名義変更が可能だ。手続きの煩雑さを避けたい人にとって、「終のクルマは軽自動車で」というもひとつの考え方かもしれない。











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