トヨタ アクアでいちばん安いXは本当に“買い”なのか。燃費は優秀で安全装備も充実する一方、GやZとの差も確かにある。価格重視で選んで後悔しない人、上級グレードを見たほうがいい人の境界線を考える。
文/写真:ベストカーWeb編集部
【画像ギャラリー】最上級グレードの巨大画面も捨てがたい!! アクアの内装を隅々どうぞ(6枚)画像ギャラリーアクアXは燃費最強の実用グレードだ
現行アクアのXは、2WDが248万6000円、E-Fourが268万4000円。Gの2WDは265万4300円なので、XはGより16万8300円安い。Zの2WDは282万4800円だから、Xとの差は33万8800円。まずこの価格差はかなり大きい。コンパクトハイブリッドをできるだけ安く買いたい人にとって、Xは明確な狙い目だ。
しかもXは、単なる廉価版ではない。パワーユニットは上級グレードと同じ1.5Lハイブリッドで、乗車定員も5名。WLTCモード燃費は2WDで34.3km/L、E-Fourで30.0km/Lだ。GやZの2WDは33.6km/Lなので、カタログ燃費だけならXの2WDがアクアのなかで最もいい。燃費重視で選ぶなら、むしろXが本命という見方もできる。
安全装備も悪くない。主要装備一覧では、プリクラッシュセーフティ、レーントレーシングアシスト、レーダークルーズコントロール、オートマチックハイビーム、ロードサインアシスト、プロアクティブドライビングアシストなどを含むToyota Safety SenseがXにも設定される。電動パーキングブレーキやブレーキホールドも全車標準装備だ。アクアを「毎日の通勤、買い物、送迎に使う燃費のいいクルマ」と考えるなら、Xで不足を感じる場面は少ないはずだ。
後悔しない人は、内外装の質感や大画面にこだわらない人。スマホ連携ができて、基本の安全装備があって、燃費がよければ十分というタイプだ。法人利用やセカンドカー、距離を走る通勤車としても相性がいい。価格を抑えたぶん、スタッドレスタイヤやドライブレコーダー、コーティングなど実用装備に予算を回す選択も現実的だ。
後悔しやすいのは“毎日触れる質感”を気にする人
一方で、Xを選んで後悔しやすい人もいる。ポイントは走りではなく、装備と質感だ。公式の主要装備一覧を見ると、Xのステアリングホイールはウレタン、シート表皮はファブリック。Gは上級ファブリック、Zは合成皮革+柄ファブリック系の設定となり、内装まわりの見え方や触れた印象には差がある。アクアは日常で頻繁に乗るクルマだけに、こうした小さな差があとから効く。
ディスプレイまわりも確認したい。Xはディスプレイオーディオが基本で、スピーカーは2スピーカー。GやZでは4スピーカーとなる。音質に強いこだわりがなくても、毎日音楽やラジオを聴く人なら、ここは気になるかもしれない。10.5インチディスプレイオーディオや一部の先進装備を重視するなら、G以上を軸に考えたほうが選択肢は広がる。
また、ブラインドスポットモニターや安心降車アシスト、パノラミックビューモニター、アドバンスト パークなどは、グレードやオプション設定の確認が欠かせない装備だ。小さなクルマだから不要と思いがちだが、狭い駐車場や交通量の多い道でこそ支援装備のありがたみは大きい。運転に不安がある人、家族も乗る人、高齢の親に勧める人は、Xだけで即決しないほうがいい。
結論として、アクアXは「安いから我慢するグレード」ではなく、燃費と基本性能を重視する人には十分すぎる実用グレードだ。ただし、内装の質感、大画面、音響、駐車支援、見えない安全装備まで欲しい人には、GやZの価値が出る。安く買って満足するか、数年乗るうちに物足りなさが出るか。その分かれ目は、燃費ではなく毎日触れる装備へのこだわりだ。
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