最高気温が25℃を超えることが多くなり、エアコンを頻繁に付けるようになってきた。でもエアコンをつけたのに出てくる風が「なんだか生ぬるい!?」。夏本番を迎えてからでは遅い! 冷えない原因と対策を知り、今のうちにしっかりメンテしておくことが重要だ。
文:ベストカーWeb編集部/写真:ベストカーWeb編集部、Adobe Stock(トビラ写真:Akash@Adobe Stock)
エアコンの風が冷えない原因は?
クルマのエアコンから冷たい風が出ず、「なんだかぬるい」と感じたことはないだろうか? 夏場にエアコンが効かないとドライブどころか命にも関わる事態になりかねない。では、なぜエアコンから生ぬるい風が出てくるのか? 主な原因は以下のとおり。
・冷媒ガス(エアコンガス)の不足
・コンプレッサーの故障
・コンデンサーやエバポレーターの不調
・エアコンフィルターの目詰まり
・エアミックスダンパーの故障
冷媒ガスは、冷風を作るために必要な存在ですが、長年の使用で少しずつ減っていく。また、コンプレッサーやコンデンサーなどの機械部品も劣化し、冷却機能が損なわれることがある。
エアコンフィルターの詰まりも風量を落としてしまう。定期的に清掃や新品への交換をすることで風量を維持することができる。特に最近はコロナ対策で外気導入を多用している人が多く、内気循環でも窓を開けて室内を換気しているのでフィルターが汚れやすい。
エアコンフィルターの交換費用はショップなどでは工賃込みで約4000~6000円。ただし、フィルターそのものは1000~2000円で手に入るから、充分自分で交換できるのでトライしてみるのもいいだろう。
フィルターが詰まって風量が落ちた状態で使っているとファンモーターにも負担がかかるし、ファンレジスターの冷却も低下してしまう。ファンレジスターはその名の通りファンに流れる電流の抵抗となるもので、ファンの強さを変える部品。
オートエアコン装着車にみられるのはエアミックスダンパーの故障。エアコン作動時に「ガサガサ」、「ゴソゴソ」といった異音が出たらエアミックスダンパーの故障が考えられる。エアコン設定温度と異なる風が出てくるようであればなおさらだ。
エアミックスダンパーの故障は、エアコンの温度調整を行う部品の不具合。具体的には、冷風と温風の混合を調整するエアミックスドアを動かすサーボモーター(アクチュエーター)の故障が考えられる。
この故障により、エアコンの温度調整が正常に行われず、異音が発生したり、設定温度にならないなどの症状が現れることがある。
エアコンガスを充填するといくら?

冷媒であるクーラーガスが抜けて圧力が下がってしまっていると、コンプレッサーが圧縮しようにもなかなか圧力が上がり切らず、気化熱で十分に冷やすことができなくなってしまう。これが、冷房が冷えなくなる主な原因。
クーラーガスが抜けてしまうのはコンプレッサーやコンデンサー、配管などのシールの劣化や振動や圧力による破損が原因であることが多い。コンデンサーが跳ね石などで破損してしまうこともある。
そんな状態でもクーラーガスを充填してやれば一時的には冷房能力が復活するが、ガス漏れが直っていないのであれば、やがてまた利きが悪い状態に戻ってしまうことになる。
コンプレッサーオイルにリークテスト(漏れる箇所を調べる)のための蛍光剤が添加されているものもある。わずか漏れているのであれば、こうしたケミカルを充填してしばらく乗って原因を追及して、修理費用を見積もりしてもらい、修理するかクルマを買い替えるか判断してもいいだろう。
専用のガス回収機でクルマからエアコンガスを回収し、不純物を取り除き、回収したガス量と規定量の差分のガス、エアコンオイルを規定量加え、キレイになったエアコンガスをクルマに充填する。
料金はHFC-134a(=R-134a)のエアコンガス補充は、R-1234yfよりかなり安い。相場は以下の通り。
・ガス1本補充:2000〜5000円前後
・点検+補充:5000〜1万円前後
・真空引き+規定量再充填:8000〜1.5万円前後
R-134aはガス自体が安く、1本(200g)数百円〜1000円台なので、工賃込みでも比較的リーズナブルだ。旧型車や2000年代のクルマはR134aが多く、エアコンガス抜けが発生しているクルマはほとんどがR134aといえるだろう。
大手量販店のオートバックス、イエローハット、ジェームスではガス補充だけではなく、エアコン配管内の水分や不純物を取り除く「ガスクリーニング」とセットでの作業を行っており、「エアコンガスクリーニング+補充」で1万円前後が多い。
2016年以降の新型車や輸入車ではR-1234yfへの切り替えが加速している。国内では、2015年4月に施行されたフロン排出抑制法にて自動車用エアコンについて定められた、「2023年までにGWP(地球温暖化係数)を150以下とする低GWP化目標の達成」に向け、このR-1234yfへの移行が進んでいる。
各メーカーの最新車はほぼすべてR-1234yfを使っていると思っていい。このR-1234yfは、R-134a(=HFC-134aのGWPは1430)に比べ、GWPが1未満と非常に低く、GWPを99.9%低減。
またR-1234yfの大気寿命はわずか11日と、R-134aの13年、CO2の500年以上に比べ非常に低く、分解に数十年を要するHFC(代替フロン)やCFC(特定フロン、オゾン層破壊物質)とは異なり、R-1234yfは大気中に滞留しない。
ただし、R-1234yfの200g缶1本、5000~1万円近くすることもある。R-1234yfの工賃込みのガス補充料金はR134aに比べ、8000~4万円前後と非常に高価。車種によって必要量が違うため、SUVやミニバンは高くなりやすい。参考までにR-1234yf対応のエアコンガス適正量はハスラー320g、フィット370g、クラウン600gが必要。
R-1234yfのエアコンガス補充は、R134aよりかなり高めだ。普通車では以下の費用を目安にしてほしい。
■R-1234yfのエアコン修理関連費用
・ガス補充のみ:8000〜4万円前後
・真空引き+ガス補充:1万5000〜5万円前後
・エアコン性能チェック込み:2万円を超えるケースもあり
ちなみに「補充だけ」で済む場合と、「漏れ修理が必要」な場合で料金差がかなりある。
・冷えが少し弱い→補充だけで改善する可能性あり
・完全に冷えない→ガス漏れ点検が必要なケース多め
・数か月でまた効かなくなる→漏れ修理ほぼ必須
■エアコンの修理費用(工賃込み)
・ガス漏れ修理/約2万~3万円
・エアコンコンプレッサー交換/約5万~10万円
・ファンモーター/約4万~5万円
・エバポレーター交換/約5万~10万円
・エキスパンションバルブ交換/約2万円
・エアコンフィルター交換/約4000~6000円(年1回交換)
・サーモスタット交換/約1万円
※価格は車種によって異なりますので目安としてください
■修理費用例
・軽自動車(例:N-BOX):コンプレッサー交換+ガス補充=約6万6000円、電装系の故障も併発
・国産ミニバン(例:ノア):コンプレッサー+パイプ交換=約10万円、高圧パイプの腐食あり
・輸入車(例:メルセデスCクラス):コンプレッサー+センサー交換=約20万円以上、部品代が高額
・旧型車(10年以上前):ガス漏れ+パッキン修理=3万円〜8万円、年式や部品の有無に依存
※価格は個体によって異なりますので目安としてください



コメント
コメントの使い方