2022年、ヒョンデの日本市場再参入と同時に販売が開始されたヒョンデ ネッソ。2026年4月にはモデルチェンジした新型ネッソの販売が開始される。ヒョンデ入魂のFCEVは新型でどのような進化を遂げたのか? 公道試乗で確かめた!!
※本稿は2026年4月のものです
文:西川昇吾/写真:ヒョンデ、西川昇吾
初出:『ベストカー』2026年5月10日号
より上質なモデルを目指したFCEV
ジャパンモビリティショー2025で日本初公開されたヒョンデの燃料電池車「ネッソ」の新型。わずかな時間ではあったが、このクルマを日本の公道をドライブする機会に恵まれた。
先代モデルに比べてボディサイズが大きくなり、ワンランク上の車格となった新型は、より上質なモデルを目指して開発された。
それが最も現われているのが室内空間だ。「リビングスペース」というコンセプトが掲げられたインテリアは、広々とした印象があるのはもちろんだが、助手席側はテーブルを思わせるインパネ形状などもあって、「部屋」を思わせる落ち着きがある。
しかし、最大の進化のポイントはメカニズムだ。水素タンク容量を大きくし、モーターとインバーターを効率の高いものへと変更することで、WLTCモード1014kmという航続距離を実現させている。これはトヨタ MIRAIの850kmを上回る数字だ。
今回の試乗コースは東京ビッグサイト周辺で、市街地走行が基本となるが、下道としてはやや高い車速で乗れるシチュエーションもあった。
全体的な印象としては、サスペンションがやや煮詰め切れていないかなと感じた。ガツガツとした突き上げ感はないものの、路面のギャップを拾って、細かくヒョコヒョコとした動きが多く、揺れ動いている感触だ。これはおそらく減衰力が足りていないためと考えられる。
ずば抜けた静粛性に驚き
ただ、それ以外は比較的好印象であった。スロットルに対する反応も自然で、ドライバーを驚かすようなレスポンスは見せないし、ブレーキ操作に対するクルマの反応も、回生ブレーキらしさがなく自然だ。長年自動車を作り続けてきたメーカーだなと感じさせる。
もうひとつ記憶に残ったのが、静粛性だ。電動車はパワーユニットからの音がしないため、どうしてもほかの環境音が目立つ傾向にあるが、風切り音は程よく抑えられていたし、何より「さざ波」といったような、自然の環境音が純正で車内に流せるようになっているのが嬉しい。
音に関しては落ち着いた移動空間を実現するには、パーフェクトな仕上がりと装備になっている。
乗り心地については改善の余地がある部分もあったが、そこは今後の改良に期待したい。航続距離と静粛性を思えば高い素質を持つ一台だ。
●ヒョンデ ネッソ FCEV 主要諸元
・全長×全幅×全高:4750×1865×1690mm
・ホイールベース:2790mm
・車両重量:1890kg
・燃料種類:圧縮水素
・モーター最高出力:204ps/4200-5000rpm
・モーター最大トルク:350Nm/0-4000rpm
・駆動用バッテリー:リチウムイオン電池
・駆動方式:FF
・サスペンション:F=ストラット R=マルチリンク
・一充填走行距離:1014km(参考値)


















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