クルマが冠水したらどうする? クルマから脱出する方法
心してほしいのは、時間が経てばさらに水かさが増すかもしれない状況でそのまま車内に残っているのは危険ということだ。冠水路にハマって動けなくなったら、まずはエンジンを停止して安全に脱出することを考えよう。ドアが開かなかったとしても、水深が窓の高さより低く、パワーウインドウが生きていれば窓を開けて脱出を。
電気系統がショートしてパワーウインドウが作動しない場合は、市販の脱出用のハンマーなどを使って窓を割って脱出しよう。脱出ハンマーは事故に遭った際などに外れなくなったシートベルトを切断する機能が付いていることが多いため、常備することをお薦めする。
丸愛産業が販売している緊急脱出ハンマー、レスキューマンはトヨタ(レクサス含む)、日産、ホンダアクセス、マツダ、ダイハツ、三菱などに純正アクセサリーとして販売されており、9割以上がディーラーオプションとして用意されているものの、装着が義務化されているわけではない。

ただし、フロントガラスに飛散防止などを目的とした特殊なガラスである「合わせガラス」が使用されている場合は、ハンマーを使ったとしても粉砕することはできず、脱出できるほどの穴を開けるのも困難だ。
フロントガラスが割れなかった場合、サイドやリアのガラスを割って脱出するようにしよう。ただし、一部の車種ではフロント以外のドアガラスにも合わせガラスが採用されていることがあるので、事前にディーラーに確認しておくといいだろう。
水圧でドアも開かず、窓ガラスを割ることもできない場合、車内に水が満ちるのを待つしかない。車内に水が入ってくるのは不安だろうが、車外と車内の水の高さが同じになると圧力差がなくなり、ドアは開くようになるので、落ち着いてシートベルトを外すなど、脱出の準備をしながら圧力差がなくなりそうなタイミングを見計らい、強くドアを押し開け脱出しよう。
また、水が引いた後の対処にも注意が必要だ。一度浸水したクルマのエンジンをかけたりするのは重大な故障や車両火災、感電を招くため絶対にNG。エンジンをかけずに、ディーラーやロードサービスに連絡をとり、さらに発火のリスクを回避するためにバッテリーのマイナス端子を外しておこう。
注意してほしいのはハイブリッド車や電気自動車。これらに使われている高電圧のバッテリーは大変危険なので絶対に触らないようにしよう。
一度水没したらもう廃車?
程度にもよるが、残念ながら一度水没や浸水してしまったクルマを元のように乗るのは難しい……。エンジンや電気系に不調が発生しやすくなることはもちろんのこと、車内に独特の臭いが残ってしまったりもする。
道路に溢れ出た水は雨水だけでなく、排水溝やマンホールから溢れた汚水や河川の泥、場所によっては海水などが含まれていることもあるからだ。また、目に見えない金属部分の腐食が進んでしまったりすることもある。
修理費用は高額となるうえに、水没や浸水の影響を完全に取り除くことは難しく、ある程度修理をしても「どこにいつ不具合が出るかわからないクルマ」ということで、水没したことがあるクルマは、その他の修復歴のあるクルマ以上に中古車の買い取り業者には避けられる傾向がある。
水害の場合は車両保険に加入していれば、補償の対象となるが、保険会社やプランによって補償内容が異なるため、加入前に確認をする必要がある。
線状降水帯が頻繁に発生するなど、今まで水害とは無縁と思われてきたような地域でも水害が発生している昨今だけに、今まで車両保険には加入していなかったという人も今後は加入を検討することをお薦めする。
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